2023年11月15日 第653号
東京住宅連の団体役員の皆さん(右端が細谷会長) |
東京住宅運動連絡会(8団体で構成)は、10月19日の午後、東京都庁を訪問し、東京都住宅政策本部宛ての「2024年度東京都予算に関する要求書」を提出した。要求は合計で97項目、東借連の要求は27項目に及ぶ。住宅政策本部への要請には、公営住宅協議会、公社住宅自治会協議会、都庁職労働組合、東京借地借家人組合連合会の代表5名が参加し、東借連からは細谷会長が参加した。
東京都住宅政策本部の荒木広報担当課長が応対し、「提出された要求は各部局で責任をもって回答します」と述べ、回答書は後ほど書面で渡すことを約束した。
次に、小池都知事宛てに要求書を知事秘書担当の廣田課長に手渡した。細谷会長は「改正住宅セーフティネット法が施行され6年が経つが、登録住宅の家賃は東京では月額5万円で入居できる物件は1%しかなく、低家賃で入居できる住宅はなく、セーフティネットの役割を果たしておらず、住宅セーフティネット制度の抜本的な改善を行ってほしい」と要請した。最後に都議会各会派を回って要求書を手渡した。応対した日本共産党の尾崎あや子都議は「都市整備委員会の中で皆さんが提出された要求について質疑を行っていきます」と答えた。
1、都営住宅を新規建設し供給戸数を大幅に増やして下さい。
2、住宅に困窮する子育て世帯や新婚世帯も都営住宅に入居できるよう収入基準を緩和して下さい。
3、住宅を喪失した単身者等が一時的に利用できる目的外使用の都営住宅を大幅に増やして、都営住宅の空き室の利活用を促進して下さい。
4、高家賃負担で苦しむ若年単身世帯や母子世帯、高齢者等に対する家賃補助(住宅手当)等の施策を実施して下さい。
5、5年間にセーフティネット登録住宅の家賃低廉化補助を実施している自治体は東京では4区1市のみで供給実績は令和4年度で67戸しかありません。都として住宅セーフティネット法の施行状況を調査検討し、登録住宅制度の抜本的な改善を国に要求して下さい。
6、高齢者が民間賃貸住宅に安心して住み続けられるよう孤独死孤立死問題を賃貸人任せにせず、見守り機器の設置補助や孤独死保険など抜本的な対策を検討して下さい。
7、連帯保証人を代行する家賃保証業者や管理会社やサブリース会社が、賃借人及び連帯保証人が勤務している会社まで滞納家賃や保証委託更新料、退去時の原状回復費用等の不当な取立てや追い出し行為が横行しています。家賃保証業者や管理会社の悪質な行為を法的に規制するために、国と連携して取組みを強めて下さい。
8、高齢者、障がい者等弱い立場の賃借人が家賃保証業者の入居審査で落とされる事例が発生しています。家賃保証業者の賃借人個人情報の取扱い等について規制を行い、賃借人が賃貸住宅の入居審査で不利益な扱いを受けないようにして下さい。
9、悪質な不動産業者への指導を強化して下さい。
10、デジタル契約に伴って発生する賃貸トラブルの相談窓口やデジタル契約の落し穴など都の広報で周知して下さい。
11、悪質な地上げ行為が横行しています。地上げ行為を規制できるよう宅建業法の抜本的見直しを国に要請して下さい。