東京借地借家人新聞 top トップへ 前のページへ

2020年11月15日 第635号

2021年度東京都予算要求
東京住宅運動連絡会が東京都に提出
家賃の支払に困っている都民に
公営住宅の建設と供給、家賃補助等を

写真
東京都住宅政策本部に2020年予算要求を提出する東京住宅連の代表(10月21日)
写真
右が都知事の秘書事務担当飯田啓介課長

 東京の住宅運動団体8団体が参加する東京住宅運動連絡会は、10月21日午後、東京都住宅政策本部に対し、各団体の2021年度東京都予算に関する要求書を提出した。今回はコロナ感染対策を理由に各団体の代表者のみの参加で、懇談する時間も制限された。
 東借連から細谷紫朗会長が参加し、コロナ禍において多くの都民が仕事を失ったり、収入が激減し、家賃が支払えなくなっている。低家賃の賃貸住宅は少なく、あらためて東京都の住宅政策が住宅困窮者に寄り添った住宅政策に転換するよう強く要求した。各団体の代表からも家賃減免や家賃補助の創設、公営住宅の建設等を訴えた。
 続いて、小池東京都知事の秘書事務担当課長の飯田啓介氏に面談し、各団体の要求を伝え、住宅要求の実現に向け尽力するよう求めた。
 都議会各会派の政党にも要求書を提出した。日本共産党都議団の曽根はじめ氏と面談し、「都営住宅の再築に当たり、ようやく住宅戸数を増やす方向に都も動き出してきた。都営住宅の建設の方向に都の住宅政策を転換できるよう頑張りたい」との意見を貰えた。

東借連の都に対する要求

(1)都営住宅の新規建設と都営住宅の供給戸数の大幅増大。
(2)都営住宅の収入基準の緩和と若者単身者などが入居できるように入居要件見直し。
(3)ネットカフェ難民などコロナ禍で住宅喪失者が一時的に入居できる都営住宅の目的外使用による都営住宅の供給戸数の拡大。
(4)高家賃で苦しむ若年単身者や母子世帯等に対する家賃補助等。
(5)都営住宅への期限付き入居制度の廃止と再契約制度に。
(6)新たな住宅セーフティネット制度(専用住宅)の登録の促進。
(7)コロナ禍で住宅に困窮し、低家賃で入居できるセーフティネット住宅の情報等の発信と相談窓口の強化と広報。
(8)大規模災害時の借地を借りている被災者の自立仮設住宅建設の支援。
(9)借地人に借りやすいとの住宅建設資金斡旋制度改善と拡充。
(10)最低居住水準未満率の住宅の解消に向けての具体的な施策。
(11)明渡しを求められ住宅に困窮している高齢者世帯への家賃補助や転居費用の支援。
(12)バリアフリー改造工事を行った賃貸住宅の原状回復工事費用の助成。
(13)外国人、高齢者、障害者の居住差別の禁止、連帯保証人を必要としない公的保証人制度の確立。
(14)家主の代理を受けて行う賃貸物件の明渡し交渉を行うなど悪質な不動産業者に対する指導の強化。他