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2019年1月15日 第622号

東京都政を住民の手に
第12回東京地方自治研究集会を開催

第12回東京地方自治研究集会(明治大学)
第12回東京地方自治研究集会(明治大学)

 第12回東京地方自治研究集会が12月9日午前9時30分から明治大学駿河台キャンパスリバティータワーで開催された。
 午前中の全体会では、東京自治労連の喜入肇書記長より「基調報告」があり、都政の状況や国政と一体化する小池都政の姿勢など詳細に報告された。次に、京都大学岡田知弘教授より「地方自治・地域再生をめぐる対抗軸と展望~東京都政を住民の手に取り戻すために」と題して記念講演が行われた。
 岡田教授は安倍政権の下で「戦争できる自衛隊」から明文改憲で「戦争できる国」へ、「富国強兵」型国家づくりに向かっている。地方自治の「道州制」こそ究極の構造改革であると強調された。

住宅・選手村問題等で討論

第6分科会の討論会
第6分科会の討論会

 午後から8つの分科会が行われ、第6分科会では「いつまでも住み続けられる私たちのまち東京」とのテーマで、岩見良太郎埼玉大学名誉教授より「小池都政の街づくり(背景・手法・大規模開発・規制緩和等)」について講演が行われた。
 岩見教授は「東京オリンピックを挟む2015年から10年間こそが首都圏の将来を決する『運命の10年』である」と指摘。都市再生特区と国家戦略特区の2つの特区を活用して東京大改造が計画され、常盤橋再開発と八重洲駅前再開発の事例が説明され、大手開発資本にとって「開発天国」とも言える規制緩和の実態が明らかにされた。
 分科会報告では、住宅問題・震災対策・東京都の上下水道対策・オリンピック選手村整備と大規模マンション開発問題について、都の職員労組や建築家、住民団体代表からの報告があり、活発な討論が行われた。


使用貸借契約を主張し土地明け渡しを請求!
支払い帳には地代として受領を明記
新宿区

新宿区北新宿付近
新宿区北新宿付近
 北新宿に住む森田さん(仮名)は親戚から長年にわたって借地をしている。
 最近地主代理人弁護士から通知が届き、払っているのは固定資産税だけで地代ではない、借地賃貸借契約ではなく使用貸借契約であり、明け渡すよう求めてきた。
 数年前に組合に入会していた森田さんはすでに地主が受領拒否したため供託していた。
 借地契約が認められ、明け渡す必要はないのか組合に相談し、更に組合の顧問弁護士に相談することになった。
 支払い帳に地代として受領と明記されており借地契約は明らかだとアドバイスがあった。
 明渡し撤回交渉は顧問弁護士に委任した。「これでお正月も安心して過ごせます」と森田さんは笑顔でつぶやいた。

家賃補助創設
国会請願署名
東借連HPにアップ

 雇用の劣化で低賃金で不安定な雇用で働く労働者が急増している。しかし、低家賃の賃貸住宅は東京では激減し、家賃負担率が上がっている。立命館大学の式王美子准教授の調査では、1988年から20年間で月額家賃4万円未満の民間借家は32・2%から4・4%に大きく減っている。逆に月額8万円以上が48%と約半数を占める。
 年収200万円未満の年収の低所得者にとって家賃補助などの支援がないと賃貸住宅では暮らせないことが明らかである。来年3月末をめどに家賃補助制度の創設等を求める国会請願署名運動を行っている。1万筆を目標に東借連のホームページにもアップし、取り組みを強めている。