2018年4月15日 第613号
東借連春季研修会で開会挨拶する佐藤会長 |
東借連春季研修会「親子で学ぶ借地の相続対策」が4月1日新宿区の消費生活センター分館で36名の組合員が参加して開催された。
若色栄一東借連理事の司会で進行され、開会に当たり佐藤冨美男会長が挨拶をした。講師の常任弁護団の白石光征弁護士より、①相続についての基礎知識と②借地権相続の特殊性という2つのテーマで約1時間にわたり講演が行われた。
講演する白石光征弁護士 |
相続についての基礎知識では、相続人は誰か、相続分はどうなっているのか、親から生前に生活資金等の贈与を受けていた場合や親の介護など寄与した分の相続分はどうなるのか等具体的な説明がされた。本テーマである借地権相続では、相続人がそのまま借地を継続した場合、借地を相続する人と建物を相続する人が違う場合の注意点が指摘された。借地の継続を望まない場合には、相続開始後「自分が相続人になったことを知ってから3ヵ月以内に家裁に申述べる」、相続を放棄しない場合には地主との間で借地権の買取り交渉を行うか、交渉が不調に終わった場合の対応等について説明がされた。講演終了後、参加者と活発な質疑応答が行われた。
大田区中央地域の石田さん所有の建物(中央) |
大田区中央地域に約40坪を賃借中の石田さん(仮名)は、過去に調停裁判にて高額な承諾料を支払って堅固な4階建の建物を建築した。昨年末に契約期間満了を迎えて地主から高額な更新料と地代の値上げを請求された。知人の紹介で組合に入会した。「更新料の支払に応じない場合は契約を解除する」との地主の横暴な主張にはあきれた。
借地上には借地人所有の建物が現存し、石田さんは賃貸借契約更新の条件が借地法(旧法)第4条及び借地借家法第5条1項に基づき更新条件が整っているとの組合のアドバイスに確信を得た。
更新料を支払わない場合には契約を解除するとの請求には法的な根拠がないと組合から説明され、石田さんは納得した。さらに、地主は契約解除した場合には地代の受領も拒否すると通告してきた。石田さんは更新時に建物が現存していることに自信を持ち契約更新を請求し、それでも更新を拒否するならば法定更新の選択もやむを得ないと地主に反論した。地主は想定通り地代の受領拒否を書面で通告して来たので、地代を供託した。
横暴な地主との書面等のやり取りが終了し、石田夫妻に笑顔が戻った。
■城北借組「西武デパート相談会」
5月15日(火)・16日(水)午前11時~午後5時まで4時半受付終了。池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。相談無料。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
5月12日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。
「借地借家問題市民セミナー」
5月19日(土)午後1時30分から府中市ル・シーニュ6階第7会議室。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
毎月第2日曜日午後1時組合事務所。連絡・(6806)4393。