参考人として意見陳述する稲葉氏(右が坂庭氏、衆議院インターネット審議中継) |
住宅団体の代表が参考人に
家賃補助制度などで意見陳述
政府は、今国会に「住宅セーフティネット法」(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法)の一部改正案を提出した。
住宅3団体では国会審議に先立って全政党に対し、改正案に対する要望書を提出し、3月21日には国会議員も参加して院内集会を開催した。その後、4月7日に衆議院、4月18日に参議院の国土交通委員会で質疑が行われ、住宅三団体から稲葉剛氏(住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人)、坂庭国晴氏(住まい連代表幹事)、塩崎賢明氏(日本住宅会議理事長)が参考人として意見陳述を行った。
稲葉氏は、改正案の審議を契機に住まいの貧困に対する実態調査を国交省と厚労省が連携して行うことを要望し、貧困対策としての住宅政策として低家賃住宅の供給を促進するために、家賃低廉化を予算措置にとどまらず法案の条文に盛り込むよう求めた。坂庭氏は、現行法にある公的賃貸住宅供給促進を重視すべきであること、家賃債務保証会社に対する規制の強化、住宅確保要配慮者の対象世帯として高家賃負担、最低居住面積水準未満世帯に対して家賃補助を行う必要性を強調した。塩崎氏は、東日本大震災等の経験から被災者について災害発生から3年を経過しないものとの法案の規定は不十分であると指摘した。
参考人に対する質疑応答が行われ、家賃補助は賃貸人への補助だけではなく、賃借人に直接行うべきである、家賃負担はどうあるべきか、住宅確保要配慮者向け登録住宅をどう増やすか、居住支援協議会をどうやって機能させられるか等々活発な質疑が行われ、衆参とも全会一致で法案が可決成立した。衆議院と参議院で付帯決議が採択された。
住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院)
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
1 本法による住宅セーフティネット機能の強化とあわせ、公営住宅をはじめとする公的賃貸住宅政策についても、引き続き着実な推進に努めること。
2 低額所得者の入居負担軽減及び安定的な住宅確保を図るため、政府は予算措置を含め必要な支援措置を講ずること。
3 高齢者、低額所得者、ホームレス、子育て世帯等の住宅確保要配慮者について、入居が拒まれている実態について、国土交通省と厚労省とが十分に連携し、住宅政策のみならず住宅困窮者支援等の分野にも精通した有識者や現場関係者の意見を聞きながら、本法律の趣旨を踏まえ、適宜調査を行うなど、各々の特性に十分配慮した対策を講ずること。
4 住宅確保要配慮者が違法な取立て行為や追い出し行為等にあわないよう、政府は適正な家賃債務保証業者の利用に向けた措置を速やかに講ずること。
5 地方公共団体による賃貸住宅供給促進計画について、その策定の促進を図るとともに、地域の住宅確保要配慮者の実情に即し、かつ空き家対策にも資する実効性のあるものとなるよう、必要な支援を行うこと。
―略―
足立区竹の塚駅西口に建設中の重層長屋 |
都建築安全条例に違反
区の審査会も火災の危険性指摘
足立区竹の塚駅西口の元自転車駐輪場だった敷地に、62戸の重層長屋が建築中である。共用の廊下や階段がなく、全戸の1階に玄関があり、各戸は専用階段で上階に上がれる縦に連なる長屋を「重層長屋」と呼んでいる。この敷地の入口は幅員1・5mもない私道で、建築基準法では2項道路といって建替え時は4m確保することで、戸建住宅の場合のみ許されている。
不動産業界では、このような旗竿地は普通の土地と比較して格安で購入でき、本来建つはずがない共同住宅同等の建物が敷地一杯に建てられることからにわかに注目を集めている。
区民からは「東京都建築安全条例」に違反していると民間の建築審査機関が許可した建築確認の取消しを求めて「審査請求」が出され、区建築審査会は「火災時における避難及び消火・災害救助は大きな困難が伴う」と危険性を指摘している。
近くに住んでいる地域住民は「共同住宅は都建築安全条例で規制されており、同構造の重層長屋が大火災になったら周辺が火の海になりかねない」として反対している。
■城北借組「西武デパート相談会」
6月14日(水)・15日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。
「定期総会」
5月28日(日)午後1時30分から豊島区生活産業プラザ。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
6月3日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
「法律相談」
毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■住まいの貧困に取り組むネットワーク他「住宅セーフティネット法改正報告集会」
5月25日(木)午後6時30分豊島区目白第2区民集会室。