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2016年11月16日 第596号

住宅セーフティネットの柱に家賃補助制度を

住宅3団体が院内集会開催
住宅セーフティネット拡充を
民進・共産・社民・自由各党国会議員参加

10・26院内集会で報告する坂庭住まい連代表幹事
10・26院内集会で報告する坂庭住まい連代表幹事

 住まいの貧困に取り組むネットワークや住まい連など住宅3団体の主催で「今こそ、住宅セーフティネットの拡充を!」が10月26日午後73名が参加して参議院議員会館で開催された。
 主催者を代表して稲葉剛氏(住まいの貧困ネット世話人)が開会の挨拶を行い、基調報告を坂庭国晴氏(住まい連代表幹事)より行われた。坂庭氏は空き家の活用を促進するとともに、民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築を含めた、住宅セーフティネット制度について中間とりまとめの内容に沿って説明した。基本的な方向性については積極的な意義があるものの、実効性のある住宅セーフティネット制度にするための課題と問題点について指摘した。「特に配慮が必要な住宅確保要配慮者に家賃低廉化等を実施するというが、公的な機関が入居者を選定することによって、住宅困窮者を分断することにならないのか」。「家主への支援が中心でセーフティネットの柱として家賃補助制度を実現する必要がある」。「公営住宅など公的賃貸住宅の拡充なくしては住宅セーフティネットの拡充にはならない」こと等を強調した。
 院内集会には民進党、共産党、社民党、自由党の各党から国会議員が参加し、激励の挨拶が行われた。各界・当事者からの報告と発言では、作家の雨宮処凛氏、全国追い出し屋対策会議の増田弁護士など7名が発言した。若者住宅問題を取り組むエキタスの藤井久美子氏は、非正規雇用で家賃を滞納した自身の経験を語り、「住む場所を失えば、暮らしも仕事も困難になる。住宅のセーフティネットは本当に機能しているのか」と訴えた。


老朽アパートの明け渡し

不動産屋の仲介で建物売却
高齢者で転居は困難
風呂なし共同トイレの木造住宅
足立区

築50年以上の木造賃貸アパート
築50年以上の木造賃貸アパート

 足立区千住地域で築50年以上になるアパートを賃借する秋川さん(仮名)は本年8月に仲介する不動産屋から老朽化と漏電の危険があるので立ち退いてくれないかと口頭で告げられた。
 秋川さんは元組合員で近所の女性2人と組合事務所を訪ねた。その日は定例相談会ではあったが、予約を入れず急に相談に来たので、よほど切羽詰まってのことと察した。話を聞くと家主は仲介の不動産屋に建物を売却したらしく、持参した登記簿を見ると8月初旬千葉県に住む家主から売買で不動産業者に所有権が移転されていた。
 アパートは風呂なし共同トイレの典型的な木造賃貸住宅である。住んでいるのはお年寄りだけで、半分以上は空き部屋。しかし、10数年前は隣がお風呂屋さんで、近くに商店街もあり、住みやすい環境だった。隣の風呂屋は廃業しても、千住地域はまだまだ風呂屋が残っているので、暮らしていくには不自由はない。
 契約書のことを聞くと直近の契約書はなく、期限の定めのない契約らしい。家賃は月末に不動産屋に持参している。
 とりあえず、不動産屋には「急に移ることはできない。現在、少ない年金でやり繰りしているので高い家賃のところでは生活費が賄えないので、この部屋にいるしかない」、「漏電の危険があるのなら早急に修繕し、安心して居住できるよう改善を求める」以上の内容の通知書を不動産屋に出すよう助言した。
 この不動産屋は、近所の組合員の話では、評判の悪い業者のようだ。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 12月14日(水)・15日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
 12月3日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。「住まいカフェ第4回」
 11月26日(土)午後1時30分から組合事務所。賃料増減問題を学習。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後
1時から組合事務所。
連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■東借連「常任弁護団会議」
 12月5日(月)午後6時から城北法律事務所。終了後、別会場で忘年会。
■日本住宅会議「総会と基調講演他」
 12月10日(土)午後1時から台東区民館基調講演・平山洋介(神戸大学大学院教授)より「住宅セーフティネットを考える~持家社会における若者、女性、高齢者及び被災者の住宅事情」他。