今年3月に閣議決定された住生活基本計画(全国計画)の中に、「民間賃貸住宅を活用した新たな仕組みの構築を含めた、住宅セーフティネット機能の強化」をすることが加わった。国土交通省は「新たな住宅セーフティネット検討小委員会」を設置し、今年7月の3回目の審議を受けて「中間とりまとめ」を発表した。
こうした検討が行われた背景には、住宅確保要配慮者と呼ばれる低額所得者・高齢者・障がい者・子育て世帯・低所得の若者・被生活保護者・外国人・ホームレス等が急増し、安定した住まいを確保できない現状がある。
一方空き家の数は年々増加し、全国で820万戸、東京では82万戸と空き家の活用が問題となっている。一方公営住宅の応募倍率は東京都は全国の中でずば抜けて高く、今年5月の世帯向が27・9倍、27年8月の単身者向は58・5倍と入居を希望しても入居ができない。民間賃貸住宅は低家賃住宅が少なく、高額な家賃負担で苦しんでいる低所得者が多いなど、住宅のセーフティネットが機能していないことが大きな問題となっている。
今回の「中間のまとめ」では、多様な住宅確保要配慮者を対象に、民間賃貸住宅の空室を積極的に活用し、住宅は都道府県または市町村の登録制にして、高齢者などが排除されない仕組みをつくるもので、こうした新しい住宅セーフティネットは「公営住宅を補完するもの」としている。そのための「家賃債務保証業」や「適正な管理業」の活用、「家賃滞納時のルールの事前明示」などが議論されている。
「家賃補助」については中間まとめでは言及されておらず、「特に配慮が必要な住宅確保要配慮者への対応」で、「家賃負担が困難な世帯のため、比較的低い家賃での提供が期待できる空き家・空き室の活用」、「改修等の支援を受ける要件としての家賃の上限を設定」など家主への支援が中心で、家賃補助制度の実現につながるのか必ずしも明確ではない。
地方自治体の中にはすでに公営住宅への入居資格がある人達への家賃補助が実施されている。今後、入居支援の仕組みが広がることが期待されている。
住まい連・住まいの貧困に取り組むネットワークなど住宅団体では、10月26日(水)午後1時から3時半、参議院議員会館1階101会議室において緊急に院内集会「今こそ、住宅セーフティネットの拡充を!」(仮)を開催する。
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賃貸マンションのオーナーチェンジはよくあるので注意が必要だ(写真と報道と関係ありません) |
板橋区板橋のマンションに入居していた中野さん(仮名)は9月に組合事務所へ相談に来た。
「先月末に家主に振込んでいた口座が閉鎖され家賃を振込むことが出来なかった。供託したい」という話だった。確かに持参した通帳には7月末日までは振り込めていたが、8月末には振込むことが出来なかった。供託の手続きを進めることにしたが、気になることがあったので借りているマンションの登記簿を取り寄せることにした。
翌日、登記簿をみると旧家主から新家主へと2月末に所有権の移転が確認された。本人に問い合わせたところ不動産屋の訪問や手紙が来ていたことを確認した。持参してきた書類をみると旧家主や新家主からの書類、管理会社の不動産会社からの通知書が出てきた。
「見るのが怖いから見なかった」ということだった。急いで管理会社に連絡し、書類を再送付してもらい、当面10月分の家賃を指定された口座に振り込むことにした。内容証明などの書類は必ず見た上で組合に相談に来ることを確認した。
■城北借組「西武デパート相談会」
11月16日(水)・17日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
11月5日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。
「借地借家問題市民セミナー」
10月22日(土)午後1時30分からルミエール府中(市民会館)。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
「法律相談」
毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■大田借組「理事会」
10月20日(木)午後6時30分から大田区消費者生活センター。連絡・(3735)8481。