住生活基本法10年の検証連続講座第1回 |
日本住宅会議、住まい連、住まいの貧困に取り組むネットワークの三団体主催による連続講座第1回「住生活基本法の10年と住宅政策の課題」が、3月26日午後1時30分から台東区・上野区民館において40名の参加で開催された。
講演1は「住生活基本法体制の検証に向けて」と題して塩崎賢明日本住宅会議理事長(立命館大学教授)が講演した。戦後の住宅政策の3本柱が90年代に入り「市場重視・ストック重視」に大きく転換される中で、住生活基本法体制が構築され、住宅のセーフティネット施策は公的賃貸住宅が削減されるなど機能不全の状態にあると指摘。また、閣議決定された住生活基本計画は、現状の居住貧困(ハウジングプア)の認識が極めて不十分で、家賃補助政策の欠如など要配慮者に対するセーフティネット施策は貧困であると指摘した。
講演2は「基本法体制と公共住宅の危機的状況の進行」と題して坂庭国晴住まい連代表幹事が講演。公共賃貸住宅(公営・UR・公社住宅)がこの10年間に5万1039戸削減され、公営住宅の収入基準の引き下げと家賃滞納で毎年10万人以上の人が公営住宅から追い出されている実態を報告。今後の課題として、居住の権利の明確化、公営住宅重視など住生活基本法の全面改正等が指摘された。国土技術政策総合研究所の長谷川洋氏より「住生活基本計画に求められる視点と課題」と題して報告がされた。
会場で発言する講座参加者 |
討論では、公営住宅の自治会の代表から、公営住宅の入居者の高齢化と家計収入低下の問題等の発言があった。長谷川氏から韓国では少子化の急速な進行で、若年世帯の住宅政策が大きなテーマとなり、大学生・新婚世帯・新社会人に対して公的賃貸住宅の供給をすすめ民間賃貸住宅の6割から7割の家賃設定で家賃負担を軽減する「幸福住宅」を政策課題にしていること等が報告された。会場から、若者の住居費負担が大変な中で、保育園に入園できない問題と同じように「住めないのは私だ」と住宅問題でも声を上げていく必要があるとの発言があった。
区内千住地域で宅地約40坪を賃借する崎山さん(仮名)は昨年7月K社から「ご挨拶」という地主からK社に管理移行した旨の通知書を受取り、本年2月K社の代理人というM建設の社員が訪ねてきた。
社員はK社が地主から底地を買い受けた旨を説明し、できれば借地権買い取りを求め2千万円を提示して帰った。
崎山さんは三代にわたり百年以上千住に居住し、地主とは土地賃貸借契約書はなく、半年払いの地代を持参していた。
崎山さんの息子さんは父親に代わって組合に相談に来た。組合ではK社に土地の所有権移転の登記が済んでいるかを確認し、未登記であれば、早急に登記するよう約束させる。約束が実行されないときは新地主とは認めない旨をM建設社員に伝え、交渉は組合事務所で行うことを了解させることを助言した。
3月の組合事務所での話し合いで崎山さんは「生まれ育ったこの家から出ていきたくない」と主張し、組合では登記簿提示を要求し、話し合いの継続を確認した。
■城北借組「西武デパート相談会」
5月17日(火)・18日(水)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、池袋西武百貨店7階くらしの相談コーナー。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
5月7日(土)午後1時30分から組合事務所。相談者要予約。
「借地借家問題市民セミナー」
4月30日(土)午後1時半から八王子労政会館。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。
「第44回定期総会」
4月17日(日)午前10時から足立区生涯学習センター(学びピア)。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
「法律相談」
毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■大田借組「借地借家問題講座・相談会」
4月15日(金)大田区文化の森、4月22日(金)大田区消費生活センター、時間はいずれも午後6時から。連絡・(3735)8481。