ブラック地主・家主対策弁護団の記者会見 |
借地人が住んでいる土地を地主から買い取ったと称し、「底地を買い取らなければ出ていけ」と脅迫的な言葉で借地人を追い立てる「地上げ」「底地買い」の被害が都内で多発している。
東借連のブラック地主・家主対策弁護団では、6月12日に午後2時から司法記者クラブで記者会見を行い、種田和敏弁護士が被害の実態についての詳細を、地上げ屋の脅しの音声や自宅前に立てられた「売地・借地人付」の看板の写真などを示しながら報告した。
弁護団長の田見高秀弁護士は、「法律を無視した脅迫じみた対応が増えている。被害は氷山の一角であり、被害の掘り起こしを行うとともに、被害が起こらないよう行政的、法律的な手立てを考えていきたい」と弁護団設立の趣旨と110番実施について説明した。
自宅の前で業者に張り込みをされたり、玄関先で大声でどなられたり等の被害を受けた組合員の男性は「90歳になる母親が近所のお店で、息子さんどうしたの、みんな心配しているよと言われ、本当につらかった」。「私の場合は弁護団に相談し、救われたがまだ被害にあう人が出てくると思うとやりきれない」と訴えた。
ブラック地主・家主110番は、14日の午前10時から午後4時まで城北法律事務所で行われ、20件の相談があった。「借りたものは返すのが当たり前でしょう。小学生でも分かること」と業者から脅しと圧力を受けているとの切実な相談も寄せられ、東借連と弁護団ではホームページの開設等で相談の受付を継続することを確認した。
ブラック地主・家主110番 |
国会請願署名を手渡す全借連・東借連の役員 |
全借連と東借連の役員9名は6月25日の午後から衆議院第2議員会館の会議室で家賃補助署名の国会請願を行い、署名5241筆を提出した。家賃補助の請願と同時に、若者・高齢者など生活弱者の住宅問題、ブラック地主・家主問題等で日本共産党の議員団と懇談した。日本共産党からは国土交通委員の穀田恵二議員、本村伸子議員、辰巳孝太郎議員が出席した。
東海林さん(仮名)の借地のある大田区新蒲田 |
大田区新蒲田所在の宅地約175・55平方メートルを賃借中の東海林さん(仮名)は、20年の契約期間満了を迎え、地主から更新料約300万円を支払うよう請求された。
20年前の前回の更新時には更新料を支払ったが、今は年金生活で支払の資金調達で悩んでいたところ、知人の紹介で組合を尋ねて相談した。
建物が現存しており期間満了に伴い、更新料の支払いに関わりなく法律上契約が更新されることを知る。隣接する地主に更新料の支払義務のないことを伝えるが、分割払いと地代の値上げに条件を変更される。
3度組合事務所を尋ねた東海林さん、地主と対決することを決意して入会する。地主に組合入会を伝えて、地代は受領を拒否され供託することとなった。
隣接する地主とのトラブルを避けたいと思ったが、それもかなわず、「生活を維持するために決断してよかった」と東海林さんの一声。