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2014年9月15日 第570号

東日本大震災の復興inいわて開催
日本住宅会議第30回サマーセミナー岩手県宮古市で

ハードな復興が進む一方で
被災者の生活再建など新たな課題が

日本住宅会議第30回サマーセミナー
日本住宅会議第30回サマーセミナー

 日本住宅会議の第30回サマーセミナー2014は、被災地の岩手県宮古ホテル沢田で8月30日から9月1日まで開催され、72名が参加した。
 塩崎賢明理事長が開会挨拶を行い、宮古市長代理より歓迎の挨拶がされた。
 記念講演として岩手大学の広田純一農学部教授が「震災後3年半を経過した津波被災地の復興の現状とこれから」、岩手大学の井上博夫経済学部教授より「東日本大震災政策~見えてきた課題」以上について講演がされた。

高台移転の整地工事が進められている現場
高台移転の整地工事が進められている現場

 広田教授は、震災後3年5カ月が経過し、津波被災地は本格的な復興段階の最中にあり、住宅再建に向けたハード事業(集団移転・土地区画整理・災害公営住宅)は工事費の高騰や人手不足、用地取得の停滞などの問題をかかえ、当初よりは遅れているが進捗しつつあると指摘した。一方、被災者の生活再建や雇用の確保、産業の再建は厳しく、復興に向けて人口維持対策やコミュニティの確保など様々な支援や街づくり等提言がされた。
 井上教授からは、仮設住宅がプレハブ協会に事前協定が締結されていた問題や全国一律で積雪寒冷などの特性等の考慮がされていなかった問題、生活再建支援法の限界等が指摘された。

ストレス・孤立・生活困難

津波で破壊された防潮堤とたろう観光ホテル
津波で破壊された防潮堤とたろう観光ホテル

 サマーセミナー第2日目は、午前中は「被災者のくらしと支援」についてシンポジウムが行われた。釜石市・大槌町・宮古市の被災者の暮らしの現状や課題、支援策などについて行政や学者・ボランティアの立場から報告がされた。
 3人の方の報告から、仮設住宅の長期化で被災者はストレスをかかえ、病気や孤立や生活の困難さが広がり、仮設住宅に取り残される人も出てきている。ハードな復興が進んだからといって心の復興は同時に進むわけではなく、被災者が生きる意欲をもって自立して生活するための支援が必要であること等について議論された。
 午後からは「住宅復興の現状と課題について」、宮古市の復興推進課長など3人から復興まちづくりの課題や防潮堤問題など多面的な報告と議論が行われた。
 3日目はバスで大きな被害を受けた田老地区の防災まちづくり事業や災害公営住宅の建設現場や仮設住宅を視察した。昼過ぎに宮古駅で解散した。



底値売買交渉が決裂
地主が最後の提示額を拒否

無理はやめてゆとりを
地代の供託は今後も継続

関さんが住む大田区大森西地域
関さんが住む大田区大森西地域

 大田区大森西地域で約45坪を賃借中の関さん(仮名)は、16年前から地代を供託中。当初は増額請求が理由で、途中から更新料の請求も加わる。この地域は、JR大森駅や蒲田駅へのバスの本数も多い。また、京浜急行大森町駅徒歩8分と便利が良く、東邦医大もあり、大変恵まれた環境にある。
 約1年前から不動産業者が、組合に土地の買取を直接打診してきた。業者は、交渉を行う等組合をよく知っているということで、地主からの相談に応じたらしい。組合相手に地代値上げや更新料は時間の経過もあって、困難と伝えたようである。
 その結果、土地(底地)の売買の打診となった。価格の条件は整いつつあったが、地主は関さんの最後の提示額を拒否して決裂となる。
 地代の供託はこれまでの内容で継続している。
 関さんら家族は、蓄えを使い切る無理はやめて、これからの生活にもゆとりがほしいと判断したという。関さんは今後のトラブルも組合員として対応できるので安心している。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 10月15日(水)・16日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談会」
 10月10日(金)午後1時30分から組合事務所。相談者は要予約。
 「学習交流集会」
 10月24日(金)午後6時半から立川市高松学習館。連絡・042(526)1094。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から組合事務所。連絡(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3801)8697。
■「借地借家問題相談会」
 10月17日(金)午後6時半から大田区文化の森、10月24日(金)午後6時半から消費者生活センター。連絡・(3735)8481。
■「2014住宅研究交流集会」
 10月4日(土)午前10時30分から午後5時。新宿保育プラザ。主催は国民の住まいを守る全国連絡会他。