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2011年2月15日 第527号

民間借家に家賃補助実現を

住まい連など3団体が国土交通省に要請
居住支援協議会で公的保証の実施を
国交省・財政負担等を理由に消極的回答

国交省に要請する住まい連など3団体の代表
国交省に要請する住まい連など3団体の代表

 国民の住まいを守る全国連絡会・日本住宅会議・住まいの貧困に取り組むネットワークの3団体は、昨年12月に8政党と国土交通省・厚生労働省に「家賃補助制度、公的保証などの実現を求める要請書」を提出し、1月19日に回答を求める交渉を国土交通省と行なった。東借連から細谷事務局長が参加した。
 要請内容は、(1)現行の「住宅手当事業」を抜本的に拡充し、居住貧困の救済を図ること。(2)居住支援協議会の設置を本格的にとりくみ、公的保証を実現すること。(3)民間賃貸住宅への家賃補助を実施し、居住の安定を図ること。以上3点で、今回の交渉では(1)は厚生労働省の所管で、居住支援協議会と家賃補助問題について国から回答を受けた。

進んでいない協議会の設置

  国交省から住宅局住宅総合整備の西川課長補佐、住宅政策課の永山企画専門官が応対した。居住支援協議会は現在までに福岡市と愛知・神奈川・埼玉・三重県の5つの自治体しか設置されておらず、協議会の設置が遅れていることを認めた。連帯保証人を協議会が実施することについては、「地域の実情やニーズを把握して、居住支援に必要と協議会が独自に判断すべきことである」と回答した。協議会の財政については、「今年度は3千億円の予算措置を行なった。23年度は安心賃貸支援事業を廃止するので、協議会の予算は今年度以上の予算を確保する」と回答した。
 民間賃貸住宅への家賃補助については、「国の審議会でも議論されている。国が助成するとなると財政負担が問題となる。行政側の執行体制として、所得の調査や適正規模の住宅であるか等を把握する体制をどう構築するか難しい」との消極的な回答にとどまった。
 最後に、坂庭住まい連代表幹事より「所得要件については公営住宅所得階層で、公営住宅に入りたくても入れない人から家賃補助を実施すべきである」と強く訴えた。


借地借家法の見直しに反対

法務省が回答

全国連絡会の法務省懇談
全国連絡会の法務省懇談

 借地借家法改悪反対全国連絡会は、1月24日の午前11時から法務省民事局参事官室と定期借家制度と正当事由制度の見直し問題を中心に1時間にわたり懇談した。懇談には全借連・全国公団自治協・全国公住協から8名の代表が参加した。法務省からは参事官室局付の斉藤、遠藤両氏が対応した。
 全借連の船越副会長が懇談の趣旨を説明し、各団体からも定期借家制度が公共賃貸住宅に広がり、民間賃貸住宅ではゲストハウスなど劣悪な住宅に拡大している実態を説明した。また、行政刷新会議などによる借地借家法の正当事由見直しの検討に対する法務省の見解を伺った。
 法務省は、「国交省の姿勢は一貫している。定期借家制度を今ある以上に広げることを肯定する考えはない。行政刷新会議には、借地借家法をいじる必要のないことは、大臣をはじめ政務三役の了解を得た上で、回答を返している。行政刷新会議とは年度が替わり、またやり取りがあることが予想されるが法務省の考えは変わることはない」と正当事由の見直しに明確に反対であると回答した。「今後もみなさんの現場の意見を聞かせてほしい」と全国連絡会に対して好意的態度を示していた。


借地の明渡しで頑張ってる

アパートの住民トラブルが理由?
地主が根拠ない言い掛り
「建物が古い」と理由を一変

建物が古いと地主が明渡し請求(写真は本文と関係がありません)
建物が古いと地主が明渡し請求(写真は本文と関係がありません)

 荒川区町屋に住んでいる高橋さん(仮名)は、親の代から他区で50年前から借地して、10世帯が入居できる木造モルタル2階建てアパートを経営している。3年前に親が他界し、その直後に地主も亡くなり共に相続によって現在賃貸借が続行している。
 ところが昨年10月に突然地主から通告があって「お宅のアパートの住人が家のポストを壊した。窓ガラスに石を投げガラスを割った。何の理由もなくこんな被害を受けることは容認できない。こんな危険人物を入居させている高橋さんの気が知れない。直ちに住民を追い出して更地にして土地を返せ」と要求された。
 高橋さんはアパートの管理会社を通じてアパートの入居者が間違いなくやったのか、確たる証拠があるのか正した。その結果、地主宅の防犯カメラにそれらしき人物が映っているが夜間だからはっきりしないと回答してきた。それなら、ビデオを第三者立会いの上見せてほしいと地主に申し入れたが拒否された。
 高橋さんは、管理会社を立ち合わせて改めて入居者に近所に迷惑をかけないように注意した。地主は、何時までに土地を明渡すのか期日を決めてもらいたい等と管理会社の方に度々催告してきた。高橋さんは「何の確証もないのに言いがかりは止めてほしい」と主張し、明渡しの話には一切応じなかった。昨年12月に入ると地主は理由を一変。建物が古くなったから明渡せと言ってきた。その後、地主の代理人だと称する者から「警察沙汰や裁判になるとやっかいになる」と管理会社にまで明渡しの協力を依頼してきた。高橋さんは、10年前に親が数百万円もの更新料を支払っているのに、こんな理不尽な話はないと途方にくれていた矢先、組合のポスターを見て荒川借組に入会した。地主に対し「明渡しは断固拒否する」と通告した。


更新料を地代値上げで請求

埼玉県和光市

 埼玉県和光市に住む川島さんは今年の11月に更新の時期を迎える事になっていた。地主から更新について「いっぺんに更新料を支払うのは大変だろうから地代の値上げで話をつけようではないか」という提案があった。前回の更新時も、更新料のかわりに、地代をそれまでの3倍近い金額を支払うことになった。その結果、20年間で、800万円という金額になってしまった。今回も、地主の更新料請求に名を借りた地代600万円の更新料を支払うことと同じになってしまうばかりか、公租公課の10数倍の地代を支払う計算になった。
 川島さん「更新料については支払う法的根拠がない」ことを説明され、今回は、更新料支払いを拒否するだけではなく、地代の値下げを請求し、合意が出来なければ調停、裁判で決着するつもりで頑張ることにした。まわりにも呼びかけ、地主と交渉することにした。


組合の催物とお知らせ

■城北借組「西武デパート相談会」
 3月16日(水)・17日(木)午前11時~午後5時(午後1時~2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。
 「無料法律相談会」
 3月18日(金)午後2時から組合事務所。相談者要予約。連絡・(3982)7654。
■多摩借組「定例法律相談」
 3月12日(土)午後1時30分から組合事務所。担当は山口真美弁護士。相談者は要予約。
■江東借組「法律相談」
 毎月第2水曜日午後6時から大島総合区民センター。連絡・(3640)4694。
■葛飾借組「定例相談」
 毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
 毎月第2日曜日午後1時から2時、組合事務所。
 「第40回定期総会」
 3月27日(日)午後1時30分から東京土建足立支部の会館会議室。
 連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
 「法律相談」
 毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。相談者は要予約。
 連絡・(3801)8697。
■北借組「法律相談」
 毎月第1・第3水曜日午後7時から赤羽会館。相談者は要予約。
 連絡・(3908)7270。
■世田谷借組「相談会」
 毎月23日午後2時~7時まで組合事務所。連絡・(3428)0828。
■大田借組「第45回定期総会」
 3月27日(日)午後1時から大田区消費生活センター。連絡・(3735)8481。
■東借連「第32回定期総会」
 3月6日(日)午前10時から東京都生協連会館(JR中野駅徒歩8分)。