京都市の山柿さんは、長年借地を借りて生活をし、10数年前には建物も当時の地主の承諾を得て鉄骨に建て替えました。
数年前に地主が不動産会社に変わり、借地の買い取りの話しもありましたが借地のままで住むことで話し合いが終わっていました。昨年、管理会社が変わり、今年7月に話し合うことにしました。管理会社の担当者は、山柿さんに対して借地権を売って、引き続き家賃で住み続けるリースバックの話しをもってきました。しかし、山柿さんは担当者に借地を買い取ることも借地権を売ることも明け渡しもしないことを告げ、リースバックの話しを断りました。担当者は、山柿さんの断固たる態度に圧倒され、具体的な話しはせずに帰りました。この頃、リースバックのCMがテレビでよく放映されています。リースバックは、自宅を売却して現金を得て、売却後は毎月賃料を支払うことで、引き続き住み続ける仕組みです。リースバックを利用すれば、一括で資金を受け取ることができますが、自宅が自分の家でなくなるので家賃の支払いが発生し、設備の設置などを行う場合には貸主の事業者の承諾が必要になるなどこれまでと同じ使い方ができるとは限らないなどの問題も起こってきます。また、家賃の金額によっては売買金額を超えてしまい、住み続けることができなくなる事例も発生しています。一度契約するとクーリングオフもできず、解約は極めて困難であり、十分注意が必要です。
|