全国借地借家人組合連合会 国民の住む権利を守る強い組織
文字の大きさ 文字を小さく 文字を標準に 文字を大きく
全借連紹介
会からのお知らせ
全借連新聞から
役立つ裁判事例
各地の借地借家人組合
リンク集
事務所地図
〒160-0022東京都新宿区新宿1-5-5 御苑フラトー401号 TEL03-3352-0448 FAX03-3356-4928
インデックスへ トップページへ
全借連新聞から

2023年2月15日 第660号


公営住宅の空家10年で2倍に
尼崎市が目的外使用で空家活用

 全国の公営住宅の空家(表1)が、2011年度(平成23年度)から2020年度(令和2年度)の10年間で2倍化(4大都市圏)をしている問題で、国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)は国土交通省に対し、この状況をどのように捉えて改善するのか質問し、昨年12月2日に回答がありました。
 公営住宅の空き家が急増している要因として「未募集空家」の増大が考えられ、10年間で大幅に増加しています。東京都は10年間で75%も増加し、2011年度の10997戸から2020年度は28700戸増加しています。大阪府も64%も増加し、2020年度の未募集空家が24286戸と空き家総数の約1割を占めています。
 未募集空家は、「大規模修繕、改造等」及び「用途廃止等を行うため」とされ、用途廃止には「建替え」と「廃止・削減」があるとされていますが、国交省の回答では空家の原因については、「都道府県に細かく分けて聞いていない」、「分けることは都道府県の負担になるので、現状を変えることは考えていない」との回答でした。
 また、準備中の空家も10年間に増えています。神奈川県では2772戸から7316戸、埼玉県が833戸から3906戸、兵庫県では2354戸から4502戸、福岡県が2432戸から6561戸に増加しています。準備中空家は入居募集の最中の空家との回答で、地方都市では応募がない状況もあり、3階以上でエレベーターがない住宅が空家になり、空家が長期化し維持管理も困難になっています。長期空家が多い自治体は兵庫県で2020年度に7843戸と5602戸も増加しています。
 公営住宅は大都市部では不足しており、住まいの貧困が加速する中で、空家のまま放置することなく、有効な活用が望まれます。
 尼崎市で行った住宅困窮者のための「目的外使用」など全国で広がるよう組合でも運動していきましょう。

ページのトップへ
Copyright(c)2009全国借地借家人組合連合会All right reserved.