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オンラインで開催された第5分科会 |
第41回全国クレサラ・生活再建問題被害者交流集会第5分科会「住まいの権利」が10月15日にオンラインで開催されました。「新たな住宅セーフティネットの意義と限界〜改正住宅セーフティネット法施行5年を振り返って」と題して、平山洋介氏神戸大学大学院教授が講演しました。
平山氏は、日本の賃貸住宅システムが建設政策・経済政策であり、所得の再配分として社会政策が極めて弱く、住宅政策の市場化が促進され、賃貸住宅セクターが低所得の増大する一方で低家賃住宅の減少で家賃負担率が上昇していると指摘。また改正住宅セーフティネット法の住宅の登録は大東建託の物件が全体の登録住宅の95%を占め、入居中の物件が97%で、空家は僅か1%しかなく、住宅確保要配慮者向け専用住宅は僅か0・7%しかない実態を明らかにしました。住宅セーフティネットの改善として大規模な公的補助とその法定化が必要であると強調しました。
休憩後、住まい連の坂庭国晴代表幹事より「登録住宅制度・家賃低廉化措置」、特定非営利活動法人やどかりサポートの芝田淳理事長より「居住支援法人」、全国追い出し屋対策会議代表幹事の増田尚弁護士より「家賃債務保証業者登録制度」について報告があり、デスカッションが行われました。
家賃保証業者の実態をウェブ調査で実施
賃貸住宅を借りる際に日本では連帯保証人が必須と言われ、保証人を立てた上で家賃債務保証会社と契約しないと賃貸住宅を借りることができないのが現実です。さらに、緊急連絡先が必要とされています。
全借連の家賃保証会社問題対策班では、「家賃保証業者実態調査」を9月21日から10月13日にかけてウェブ調査を実施し、142人の賃借人の方から回答がありました。(詳細は次号以降の新聞に掲載します)
まず驚いたことは、賃借時の保証契約について、連帯保証人+保証会社を付けて契約した方が49・3%と約半数を占めました。保証会社と契約した理由は、保証会社契約が借りるための条件だった70・2%と保証会社と契約しないと住まいが借りられない実態が明らかになりました。また、保証会社は自分で選べたかでは、選べなかった91・5%で、保証業者が国の登録を受けているかどうかをも97%近くの方が知らない、分からないと回答しています。
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