|
(勝訴した借家人が居住する建物) |
今年1月6日に明け渡し訴訟の判決がありました。
この事件は、家主である原告が、本件建物を取り壊し、本件土地上に3階建てのビルを建設し、1・2階を貸事務所にして3階を原告の宿泊所にして会社の出張費を削減すること、借家人は移転できない理由はないこと、建物が老朽化しており大地震で倒壊する危険性が高いことを主張して、明け渡し裁判を起こしました。
被告である借家人は、ビル建設は本件土地上ではなく、別物件を確保することもできる、生まれてからの住まいであり、長男の環境への変化が厳しいため移転できないこと、耐震補強をすれば住むことができることなどを主張し、闘いました。
判決では、「本件建物は現状では耐震性が不十分であるが居住の用に供することができないほど朽廃しているわけではなく、原告において耐震補強工事の方途が具体的に検討されていない以上、耐震補強工事を行うことが経済的合理性に反するとまでもいえないところ、土地の有効利用や会社の業績回復という観点からは、原告が本件建物を取り壊してより収益性の高い本件新築ビル建設する必要性も一定程度認めることはできるが、一方で被告が長男とともに本件建物での居住を継読する必要性は、同人らの生活の維持という観点から高度なものであり、原告の上記必要性とはその質及び程度において異なるというべきである。
そうすると、被告の本件建物を使用する必要性は本件建物を取り壊す必要性を大きく上回り、引越費用相当額の立退料を支払うとの原告の申し出によっても、正当事由が補完されたとはいえないから、本件解約の申し入れに正当事由があるとはいえない。」という判断で原告の請求を棄却しました。
原告は、控訴を行わなかったことから判決が確定しました。
借家人は、引き続き住むことができホットしています。
うれしい事務局だより
本部に新宿区の40代男性から「競売物件を購入したところ、前の所有者宅から購入マンションの床下を通る水道管代を多額に請求され困っている」と相談があり、すぐに都内の法律事務所を紹介したところ、翌日お礼の言葉と「全借連新聞を読みます」と購読料の振り込みがありました。
本部新読者紹介(敬称略)
●全国労働組合総連合
●「軍事費を削れ」国民大運動実行委員会
●日本共産党埼玉県委員会 |