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2021年住まいは人権デーの集会 |
国連の人間居住会議(ハビタット)は、1996年6月にトルコのイスタンブールで開催した第2回国際会議で「適切な住居に住む権利を完全かつ前進的に実現する」ことを宣言しました。
国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)など、住宅関係団体は、毎年6月に「住まいは人権デー」に取り組み、この宣言の実行と住宅政策の転換をめざして運動しています。
今年はコロナ禍での外国人住民の生活・住宅実態と居住保障をテーマに6月12日(土)午後2時から練馬区区民プラザココネリで開催し、オンラインでの参加も呼び掛けて、ハイブリットで集会が開催されました。
公的支援が届かない外国人
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講演する稲葉奈々子上智大学教授 |
集会はジャーナリストの松元ちえ氏の司会で進められ、開会挨拶を住まい連の坂庭代表幹事が行い、今年3月に閣議決定された「住生活基本計画」では、在留外国人の住生活の安定確保が不十分であり、外国人の住民の居住保障を実現することが必要であると訴えました。
講演は「深刻な生活と住宅の困窮〜求められる支援」と題して、稲葉奈々子・上智大学教授より報告されました。
稲葉氏は、コロナ禍で多くの人々が仕事を失い、公的な支援が必要とされる中で、在留資格のない外国人(仮放免者を含む)や在留資格3ヶ月以下の短期滞在者は仕事を失い、生活が困窮していても公的支援を受けられない実態について報告。外国人は「労働力」としか想定されず、社会保障を利用する権利さえも保障されず、新型コロナで仕事を失った外国人に対するセーフティネットが日本では全く不在であることが強調されました。続いて、イラン出身者女性より、仕事も住まいも失い、何人も助けてくれる人が見つかったが、男性からは体を求められ、拒否すると住まいと仕事も同時に失い、住まいを転々とする悲惨な生活の実態が報告されました。会場から恵羅さとみ法政大学社会学部教授、小田川華子東京都立大学非常勤講師からも発言がありました。
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