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2020年11月15日 第633号

今日の社会とハウジング・クライシス
住まい連等3団体が2020年住宅研究・交流集会
孤立化深める日本の貧困層
コロナ禍で「自助」より「公助」を

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講演する遠藤環埼玉大学大学院准教授

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パネリストを交じえた討論会

 2020年住宅研究・交流集会「今日の社会とハウジング・クライシス〜日本と東南アジアの大都市の現実」が、10月31日午後6時から練馬区内で開催されました。
 東京都立大学の小田川華子氏がコーディネーターを行い、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人の稲葉剛氏が開会挨拶を行いました。
 埼玉大学大学院経済学部准教授の遠藤環氏より「アジアのメガ都市を生きる・都市貧困層と居住」というテーマで講演が行われました。遠藤氏はバンコク・上海などアジアの大都市の貧困・格差・居住等を研究され、アジア新興国の都市の特徴として、急速で圧縮した経済発展する一方で、先進国と同じような高齢化や格差が拡大していている。社会保障が脆弱な中で、先進国と発展途上国の課題や問題が同時進行していると指摘しました。
 また、アジアの都市貧困層は不安定な職業や居住形態でリスクに遭遇しやすい一方で、密集しているがコミュニティが機能して住居費の節約、仕事の創出、住民同士の相互扶助や助け合いによってリスクを吸収し、セーフティネットになっていると強調されました。
 都市下層層の生活満足度の調査では、バンコクなどでは満足している割合が非常に高いが、東京では満足度の割合が大変低く、孤立をより深め深刻である。コロナ禍で「自助」の強調より、公的支援の強化が重要であると指摘されました。
 続いて、埼玉大学の遠藤ゼミの学生6名より「脱法ハウスの存在を支える根拠の考察」について、なぜ低所得者が脱法ハウスに住まざるを得なくなったのか等について報告がされました。
 さらに、国民の住まいを守る全国連絡会代表幹事の坂庭国晴氏より「日本の実態と新たな住生活基本計画」について、東京の住居費の高さ、コロナ禍で住居確保給付金の申請・支給が拡大する一方で、セーフティネット住宅が機能しない実態等が報告されました。最後に、報告者との質疑と討論が活発に行われました。

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