地主との間で土地賃貸借契約を締結していたところ、突如、不動産業者が、「(土地の)所有者になったので、(賃借人は)立退くか、(高額で)底地所有権を買い取れ」と求めてくる、こういったトラブルの相談は未だに少なくありません。中には、暴力団まがいの激しい言動で騒ぎ立てる事案もあります。借地上に数人の賃借人がいた事案で、不動産業者が借地の所有権をすべて買い取った上で、地上げに成功した家屋を利用して、夜中に窓やドアを全開にして大音量の音楽を流したり、生魚を玄関前に吊して異臭を発生させたりして嫌がらせをした事案もあります。
しかし、この国には「借地借家法(旧借地法)」という法律があり、賃借人を保護しています。賃貸人からの期間満了前の一方的解約は認められておりませんし、期間満了時の更新拒絶にも「正当の事由」が必要ですので、賃貸人が変わって立退きを求められても、賃借人は望まない立ち退きをする必要はありません。上記の例もすべて当然立ち退く理由はなく、法律的に根拠のない嫌がらせというほかありません。被害者は本当につらい思いをされています。一人で悩み、ブラック地主家主に屈して判子を押す前に、必ず組合や弁護士に助けを求めにきて下さい。 |