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全国連絡会の学習交流集会(5月11日UR赤羽台) |
借地借家法改悪反対全国連絡会は5月11日、「第8回学習交流集会」をUR赤羽台で開催しました。
全借連事務局長・細谷紫朗氏が司会進行を務めました。
東借連常任弁護団の西田穣弁護士が「民法改正と賃貸借契約の諸問題」と題して、民法改正とそれに併せた国交省「賃貸住宅標準契約書」の改訂内容について講演しました。
(1)民間借家では当たり前の保証契約は保証人保護のために「保証限度額」を決めなければ無効。(2)借家修繕の義務は家主にあり、家主がしない場合や緊急の場合は借家人が修繕できる。(3)物件・設備の一部滅失では当然に家賃減額。もっとも具体額は当事者間で協議することになっており、公的基準が必要。(4)退去時の原状回復では経年劣化、物件の通常の使用よる損耗以外についてのみ借家人負担になることが明記。
今回の改正はこれまでの実務ルールを条文化したもので、現場の対応が変わるわけではなく、特約(契約条項)が優先される点も同じなので、契約書にサインする前に借地借家人組合や顧問弁護士に相談することです。
参加団体から取り組みの報告がありました。
全国公団住宅自治協石川敏宏代表幹事
17年住民アンケートでは、約7割が65歳以上、年金世帯で、年収353万円未満、UR法の「家賃減免制度」の適用を求めて署名16万2千筆を提出。修繕は民法・標準契約書の改正に併せて居住者負担の項目が大幅に減りました。高優賃制度適用住戸への家賃減額は20年の期限後も継続が実現。引き続き全体に適用される家賃減免の実現に向けて運動を続けてまいります。
東京公社住宅自治協新出正治副会長
民法改正の修繕について都公社との交渉で、これまでに実施基準・居住者負担の明確化を実現しました。家賃体系が原価方式で公社が修繕をする程家賃にはね返ってくるため、修繕要求は慎重にしていました。しかし民間並み家賃方式に変更になったため、修繕も「民間並み」を要望。都公社住宅では、修繕の居住者負担がUR住宅と同様の範囲に大幅に減りました。今後は居住者から要望が強い浴室のカビ対策を重点課題と考えています。
東京公住協・小山謙一会長
都営住宅では月収に応じた家賃であり平均2万3千円、8割超の世帯が4万円未満です。65歳以上が入居者の7割弱で3か月間の室内死亡が350件。
一方、子育て世帯向けには10年定期借家のみ。高齢で自治会による共益費の集金が難しくなってきており、都は高齢入居者を集めておきながら、「自治会が集金するのは大変だから」と共益費の直接徴収を始めました。民法改正の修繕について、都の回答は、「公営住宅法で修繕義務があるのは躯体部分のみ」「家賃を低くしてあるため修繕まで出来ない」。都営住宅を限界集落化しないために、公住協は都と都議会への働きかけを強めてまいります。
東借連事務局長・高橋雅博氏が相談事例などを報告しました。 |