居住支援協議会の実態報告
住まいの貧困ネット第1回学習会
報告する住宅都市問題研究所の露木氏
住まいの貧困に取り組むネットワークでは、住生活基本法が制定されて10年が経過する今年、住まいの貧困の解決に向けて年4回の学習会を計画しています。第1回目は豊島区の居住支援協議会の事務局を担当する住宅都市問題研究所の露木尚文氏より「豊島区居住支援協議会の取り組みと空き家活用」について報告を受け、討論を行いました。
居住支援協議会は、国制度に基づく地方公共団体や関係事業者、居住支援団体連携して設立する組織で、1協議会当たり年間1千万円を限度に補助が受けられ、空き家の住宅ストックを有効に活用して適切な住まいが確保できない人たちを支援することが期待されています。
豊島区では、空き家率が15・8%と23区内で一番高く、空き家の利活用をするために、平成24年に居住支援協議会を設立し、居住支援事業に取り組む団体・個人からモデル事業を公募し、その結果7件のモデル事業の応募がありました。このうち3団体を選定し、障がい者・高齢者・シングルマザーなどの支援のためのモデル事業が取り組まれ、「としま居住支援バンク」が開設され、物件の登録が始まっています。
しかし、不動産業者の流通物件からでは居住支援に適した空き家を見つけることは極めて困難であり、シェアハウスなどなどは違法化しルームなどの問題もあり活用ができない、サブリース物件では保証会社が使えないなど様々な課題や問題点が指摘されました。
現在、区内でシングルマザー向けなど2か所の登録物件で入居者を12月から募集していますが、現時点で入居者が見つかっていません。討論では月額7万円の家賃ではシングルマザーの収入では入居が困難ではないか等の発言がありました。次回の学習会は5月中旬を予定。