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耐震性不足マンションの敷地売却
国交省が全借連にヒヤリング


 耐震性不足の認定を受けたマンションと敷地の売却を区分所有者の多数決(5分の4以上の賛成)により行うことができる制度が成立し、12月から施行されます。マンションが買受人に売却されると区分所有者から賃貸で借りている借家人の権利は消滅し、マンションを売却した分配金の中から補償金が支払われます。国土交通省は「マンションの建替えの円滑化等に関する基本的な方針の改正案」について、全借連に対し10月1日にヒヤリングが行われ、佐藤副会長と細谷事務局長が国交省を訪問し、賃借人の居住の安定の確保や補償金の支払い等について意見を述べました。

マンション建替え円滑化等
基本方針について申し入れ(全文)

1、売却マンションに居住していた賃借人の居住の安定の確保に関する事項について
 賃借人は、何らの法律・契約に反していないにもかかわらず、マンション敷地売却決議によって、居住の権利を奪われることになります。
 そこで、第1に、マンション明渡し後の住居の確保が問題となります。本来、このような場合、公共賃貸住宅への入居が確保されるべきですが、公共賃貸住宅の空家が少ないため、実際には入居が困難となっています。とくに、高齢者の場合には、長年住み慣れた場所の生活基盤を失い、これまでのコミュニティから切り離されるため、市場において新たに適当な物件を確保できない、新規の契約が困難、保証人を得られないなど多くの問題をかかえることになります。
 そのためには、買受人であるデベロッパーに対し、代替え物件の提供、国及び地方自治体に対しては住宅確保の支援等の取組みが求められます。
 基本的な方針案では、合意形成の促進に関する事項において、国・地方自治体による「窓口の情報」、「情報提供や相談・紛争処理体制等の整備」が挙げられていますが、第1項「買受人等が取り組むべき事項」としては「相談窓口の設置」が挙げられているにすぎず、国・地方自治体による「相談窓口の設置」がありません。これでは、区分所有者・賃借人の居住の安定の責任を事実上買受人等に押し付ける結果となり、買受人等の対応いかんによっては賃借人の居住の安定の実現が困難となります。
 そこで、基本的な方針案の「3国及び地方公共団体が取り組むべき事項」について以下の事項を意見・要望します。
(1)国・地方自治体は、賃借人の居住安定の確保のため、賃借人向け相談窓口を設置する。
(2)特定行政庁が、賃借人の居住の安定の確保のため、マンション敷地売却組合・買受人(デベロッパー)に対する指示・勧告権限を設ける。
(3)賃借人の居住の安定の確保するため、ハでは「居住支援協議会の活用」があるが、同協議会が設置されている地方自治体は少なく、早急に設置させることが必要である。また、同協議会に借家人を代表する団体を参加させる仕組みを設けるべきである。
(4)1、ロの「その要請が過度なものでない限りにおいて」の部分を削除する。
 借家人が過度な要請をするかのような印象を与え、借家人に対する偏見があるとみられかねない。当該文言がなくても意味・内容は変わらない。
2、賃借人に対する補償金の支払いに関する事項
(1)賃借人にとって、補償金は居住移転のために必要なものですが、補償金の額がいくらか及び補償金の支払いが確保されるのかについて不安があります。そこで、以下について要望します。
 賃借人に対して支払われる補償金の額について、公共用地の取得に伴う損失補償基準、同要綱、同細則に準じて算出されるとしていますが、賃借人が補償金の具体的な額を知ることができ、補償金の支払いが確保されるようにすべきです。
 そのため、国・地方自治体は、賃借人向け窓口を設置し、賃借人、とくに高齢者の賃借人に対しては、補償金の額を知らせ、いつどのように支払われるのかなど補償金の支払いが確保されるよう措置を取るべきです。
 (2)マンションの建替えの円滑化等に関する法律に基づき賃借人に支払われる補償金の額が、戸建て住宅・共同住宅等の賃貸借契約における解約申し入れ・更新拒絶の際の借地借家法の正当事由の補強事由として提供される立退料の額として利用される恐れがあります。
 マンションの建替えの円滑化等に関する法律に基づく借家権の消滅の仕組みは、事業法上の手続き・枠組みの中で行うものであり、私人間の契約関係である借地借家法に基づく賃貸借契約の解約申入れ・更新拒絶について影響を与えるものではない旨を基本的な方針案に付言することを求めます。

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