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宇都宮健児氏をまじえた住まいの貧困問題を語る座談会 |
住まいの貧困に取り組むネットワークの「5周年の集い・映画祭」が4月27日午後1時半から新宿区・保育プラザで開催され100名を超える参加者が集まりました。
初めに、住まいの貧困問題をテーマにした早川由美子監督の映画「乙女ハウス」(住宅に困っている女性に空き家を提供し、固定資産税分のみの月1万円の家賃として支払うユニークな仕組みのシェアハウスを取材)・「ホームレスごっこ」(監督自ら新宿駅前でホームレス体験し公共空間を自分たちの手に取り戻す小さな抗いの記録)、遠藤大輔監督の宮下公園の野宿者排除のドキュメンタリー映画「ジェントリフィケーション」以上が上映され、上映後それぞれの監督から制作意図が解説。遠藤監督はジェントリフィケーションの一般的な定義について「貧困な住宅街が地価高騰により住めなくなるという人口流動の現象で、ホームレス排除も含まれる」と説明しました。
第2部は宇都宮健児弁護士(前日弁連会長)が参加して「住宅問題・住宅政策と貧困問題を語る」とのテーマでネットワークの世話人の坂庭国晴氏の司会で座談会が開催されました。
ネットワークの世話人の稲葉剛氏よりネットワーク設立してから5周年の歩みが報告。稲葉氏は09年3月にネットワークが設立した当時派遣切りで仕事と住まいを同時に失う問題が発生し、派遣切りは労働問題と同時に住宅問題であることを告発し、この間追い出し屋問題や被災地の住宅支援、脱法ハウス問題等を取り上げ運動を行ってきた経過について報告しました。
座談会では、ホームレス・野宿者の排除と東京オリンピックの関連、生活保護バッシングに見られる市民感情の問題、女性や若者の貧困問題、住まいの貧困の解決等について稲葉氏と宇都宮弁護士をまじえて活発な討論が行われました。宇都宮弁護士は、「住まいは基本的人権」であると指摘し、住まいの貧困を放置しているのは行政の責任であると批判。住まいの貧困問題の解決策として、増え続けている空き家を行政が借り上げて脱法ハウスやネットカフェ難民に貸し出したり、公的保証人制度や家賃補助制度の創設などを提言しました。 |