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2013年住宅研究交流集会(10月6日東京新宿区) |
住まい連・住まいの貧困ネット・日本住宅会議3団体共催による「2013年住宅研究・交流集会」が10月6日午前11時から新宿区保育プラザで95名の参加で開催されました。
特別企画「脱法ハウス問題と解決への提言」では、住まい連代表幹事の坂庭国晴氏より「脱法ハウス第4次調査の発表と国交省の対応」について報告があり、入居者の実態では20代から30代の若者が87%を占め、女性単身者も46%を占めていることが明らかにされました。国土交通省への申入れで、URのシェアハウスなど知人同士が集まって居住する物件は「寄宿舎」ではなく「住宅」として認定するとの国交省の新たな見解も発表されました。
新建築家技術者集団全国幹事の鎌田一夫氏は、脱法ハウス問題の解決に向けて、シェア居住については住居としての基準を厳しく守らせる一方で、健全なシェア居住を育成するための提言が発表されました。
家財道具も持たない若者が
午後からのシンポジウムでは、高齢者・若者・女性の住宅問題について、国立保健医療科学院の阪東美智子氏が報告し、在宅介護・医療が推進され老後に住み続けられない住宅が増える一方で、サービス付高齢者向け住宅は7割以上が25平方メートル以下の居室で台所も浴室もなく、自立をサポートする「住宅」になっていないとの指摘がありました。
首都圏青年ユニオンの神部紅氏はブラック企業や不安定な雇用が拡大する中で「雇用を打ち切られることを前提に、いつでも引っ越しができるようにと家財道具を持たない若者が増えている」との報告がありました。
女性の住宅・居住施策では、婦人保護施設支援員の二葉美由紀氏が報告し、「女性・子どものDV被害は年々増加し、暴力の後遺症から精神的問題を抱える場合が多い。生活基盤を確立するためには民間賃貸住宅の家賃補助制度が必要である」と訴えました。
各分野からの報告では、全借連の田中祥晃会長が「民間賃貸住宅での高齢者・若者・女性からの相談の特徴」について報告し、木造民間賃貸住宅の取壊し、賃貸マンションへの建て替えが進み、多くの借家人が立ち退きを迫られ、若者や高齢者が住める低家賃住宅が不足していることが強調されました。
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