「定期借家に反対する全国交流集会」が3月16日、借地借家法改悪反対全国連絡会の主催で東京・王子5丁目団地自治会集会所で行われました。
集会には70名が参加し、全借連副会長の佐藤冨美男氏の司会で行なわれ、主催者を代表して全借連会長の田中祥晃氏が挨拶。自由法曹団・東京東部法律事務所の西田穣弁護士が「定期借家制度をめぐる現状と今日的な問題」と題して基調講演を行いました。
西田弁護士は「定期借家制度が、借地借家法38条の改正で2000年3月から施行され、明渡しに際し、正当の事由は不要。当事者いずれも原則として中途解約はできない。賃料の増減請求条項の適用除外が法案の内容だと説明し、平成21年度における定期借家制度の利用割合は2・4%で積極的に利用されているとまでは言えない、平成20年度中に契約期間が満了した定期借家契約のうち、72・1%が同一の賃借人と再契約が締結されており事実上更新されている」と説明しました。
また、「定期借家制度は、空き家の活用、貧困ビジネスへの転用などが期待できる。とされているが、基本的に、事業者、賃貸人に有利な制度であり、借家人には何のメリットもない。将来的に廃止を目指していくべきだ」と強調しました。
特別報告の後、構成団体の全借連を代表して大借連会長の河嶋克博氏、全国公営住宅協議会前事務局長の天野信二氏、東京都公社住宅自治会協議会副会長の新出正治氏、全国公団住宅自治会協議会代表幹事の多和田栄治氏から定期借家制度の導入の経過と現状の報告がありました。
質疑・討論では、西田弁護士に尼崎借組の大塚氏から「定期借家契約でも更新を続ければ普通契約になるのではないか」との質問や「定期借家契約で再契約を断られた事例があるか」などの質問がありました。公営住宅協議会や公社住宅については、「国庫補助の入っていない住宅があるのか。建替えて再入居者についても期限付き入居契約を結ぶのか」などの質問がありました。京借連の楠氏は、「不動産業者が躍起に定期借家契約を結ぼうとしており、定期借家は資産運用にも有利だと宣伝している」と紹介しました。東京の桜井氏は「定期借家で契約され、契約期間が過ぎたころに契約解除を言って来る。裁判で争うが、裁判所は和解を勧告。和解で解決している」と報告しました。
閉会は、全国公団住宅自治会協議会代表幹事の林守一氏が閉会挨拶をして終了しました。
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