全国借地借家人組合連合会 国民の住む権利を守る強い組織
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全借連新聞から

新年のごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます。
 東日本大震災から2年目を迎えますが被災地の復興は「復興元年」の掛け声にもかかわらず遅々として進まずピーク時に47万人だった避難者はいまなお33万人となっており、多くの人が仮設住宅で日々困難な暮らしを続け、みなし仮設住宅では支援の届かない人々も数多くいます。
 震災1年間の関連死が1,632人に達しており原発被害者の先行きは全く見通せないのが現状であります。
 一方、復興増税が25年に亘り取り続けられ19兆円の復興予算が組まれましたが被災者や被災地に届かず、被災地の復興と無関係なところに復興資金が流れていることがさまざまの調査でも明かされました。
 被災地では必要な補助金が予算枠の制限で不採択となったり、住宅再建に不可欠な被災者生活再建支援金も最高額で300万円にとどまり、それさえも十分に支給されていません。それに半壊以下の人たちへの支援もありません。
 被災地は2回目の厳しい冬の生活を余議なくされ、長期の避難生活で心身とも限界状態に追い込まれます。
 福島第一原発の事故でいまだに16万人が避難生活をしており、そのうち5万8千人が県外避難者です。この人たちに1日でも一刻でも早く復興の速度を早め本格的な住宅復興に向け基本的な住宅・居住政策の誤りや欠陥を正し、東日本大震災の被災者が1日でも早く郷里にもどれることを願ってやみません。
 住まいの貧困からくる、保証料を支払いながらも賃料が延滞すれば鍵をかけ、荷物を処分する「追出し屋」、生活保護者・ホームレスを食い物にする「囲い屋」の横行などで住む権利が奪われています。
 民間賃貸住宅の借家人の多くが住宅政策の対象から外され、何らの恩恵も受けられない状態のまま放置され、平成20年の住宅統計調査をみても平均値の面積は45・93平方メートルで持家の人は120・89平方メートルで日本は世界的に見ても異常な状態に置かれています。
 第2回国連人間居住会議・ハビタットII(イスタンブール宣言)は、すべての人に適切な住宅を確保することと、より安全に健康に住みよく・公平に・持続可能に生産的に居住地を作り上げるとしています。
 全借連は、昨年の第29回会総会で民間賃借人の安心して住み続けられる権利の確立をめざし「民間賃貸住宅憲章」を作ることを決めました。
 近い内に憲章案を発表することを予定しています。
 この憲章が国民的な論議を巻き起こし、多くの国民に支えられ、世論となって国を動かすようにしましょう。
 すべての人たちに、人間の尊厳が守られる住まいを保障する、権利の実現をめざすこの運動を、全借連の組合員一人一人が、意気高く多くの人たちに呼びかけていただくことをお願いし新年のご挨拶とします。

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