日本住宅会議、第28回サマーセミナーが9月3日から5日、福島県いわき市・スパリゾートで開催されました。全借連より佐藤副会長他2名が参加しました。昨年3月11日に発生した東日本大震災は、1年を経過して死者・行方不明者1万9千人、避難者34万人という被害の中で復興はまだ緒についたばかりです。今回の会場となるいわき市は、原発被災地に近く、福島県の中核的都市であり、地域の復興にとって重要な位置にあります。
第1日目は、鈴木浩福島大学名誉教授による「東日本大震災の被害と復興」と題して基調講演が行われました。引き続き各地域からの報告として、「浪江町の被害・避難・復興」について、「みなし仮設住宅と被災者生活再建」。
2日目、津波被災地の被害と復興と題して、「大船渡市の被害と復興・街づくり」、「石巻市・雄勝町の被害と復興」、「復興まちづくりの今の課題と展望、大槌町から」。午後は、原発被災地の現状、課題と題して、「原発被災者の復興意識」、「原発被害の賠償・補償問題」、「木造仮設住宅の建設について」、3日目は、いわき市内の被災状況・仮設住宅の見学でした。
基調講演では、福島県の原発災害による被害者は、原発収束・放射能汚染除去の見通しがない中で、地域社会や家族の分断などをともないながら、広域避難かつ長期避難が予想され健康管理、生活再建、仕事の確保の課題などが大きく覆いかぶさっている、との報告は、原発被災がいかに深刻であるかがわかりました。
また、チェルノブイリ原発事故後、ロシアでは、1991年に「チェルノブイリ法」が制定され、年間1ミリシーベルト以上の被ばく量地域は「避難の権利地域」と定め、在留者、避難者それぞれに仕事・住居・薬・食料の支援をしている、との報告がされました。現在、国会で日本版チェルノブイリ法が、議員立法で参議院に提出されているそうです。
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