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大震災から1年、遅々として進まぬ復興
神戸大学教授 塩崎賢明

 東日本大震災は、阪神淡路大震災と比べると、被害の規模も大きく過疎化や高齢化のすすむ地方都市・集落で起き、地震・津波・火災・地滑り・原発事故という複合性のある災害でした。現在も34万人が避難生活を送り、福島県では6万人を超える人が県外に移転し、政府の対応に信用ができず、県外避難が強まっています。

 今回応急仮設住宅5万2千戸が完成し、入居率は89%に留まっています。ハードの問題としては、夏が暑く冬が寒いという居住性の悪さが問題となり、岩手県の住田町や福島県の会津若松市の木造仮設住宅では地元産の木材を使用し、断熱性も遮音性もプレハブ仮設と違いが明らかになりました。鉄骨プレハブの応急仮設住宅は5万戸の建設で2千億以上のお金が使われています。住んでいる人が喜ばない仮設住宅の供給システムはおかしい。変えるが必要です。

 ソフトの問題では、立地や抽選入居が問題で、山の中の仮設住宅では高齢者が孤独死しかねません。被災地の雇用対策として現在仮設住宅の訪問や見守りを行っています。今回民間賃貸住宅を借り上げる借上げ仮設住宅は6万戸供給されました。賃貸住宅物件の多い仙台市に「アパートも仕事もある」ということで、人が流れています。本来、災害救助法に基づき被災者に直接家賃を支給すべきであると考えます。住宅政策として家賃補助制度があれば、被災者は全国どこでも住むことができるはずです。

 住宅の復興の前に立ち塞がっているのが街づくりの問題です。高台移転をするために集落ごとに合意形成するためには、高台移転で仕事ができるのか、雇用はあるのか、個人の住宅再建資金等はどうなるのか大きな課題です。村の人だけで決めることは困難であり、様々な専門家等の支援が必要になっています。

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