3、公営住宅等の活用と災害公営住宅の建設・供給について
(1)公営住宅等の空家への入居
公営住宅のストックが少ないことが今回の大震災で大きな問題を招いているのであって、建替え予定となっている住宅の空家数を含めて調査・公表し、その活用を図ること。
(2)災害公営住宅の建設・供給について
この公営住宅は仮設住宅と同様、できる限り従前居住地に近い安全な場所で、地域コミュニティを保持しながら暮らせるように建設、入居選定を行なうこと。また住宅への入居後、被災者の孤立化を招かないように、これまでの公営住宅の経験を活かし、大規模、高層住宅ではなく、小規模、低層の住棟を重視するなど、設計・計画に細心の注意を払うこと。
(3)借上げ公営住宅について
災害公営住宅の建設・供給は、一定の年数を要することから、民間住宅等を借上げて公営住宅としていくことも積極的に進めるべきである。その際、阪神大震災の復興借上げ住宅で生じているような、借り上げ期間満了時に入居者を追い出すことがないよう、通常の公営住宅と同等の扱いを行なうこと。
(回答)(1)の「公営住宅の空家への入居」については、全国で2万2千戸の提供可能な公営住宅を確保している。できるだけ入居しやすくなるよう配慮を行なっているが、応募者は大きく増えないと捉えている。従前居住地や地域から離れたくないという被災者が多いので、提供可能な公営住宅の量としては十分ではないかと考えられる。
(2)の「災害公営住宅の建設・供給」については、今回の第1次補正予算で「災害公営住宅等(1万戸)の供給支援(用地の取得・造成費の補助対象化等)を計上している。事業主体は地方自治体であり、これから建設・供給の計画を行うというスタートに立ったということである。要請にある「従前居住地に近い」や「設計・計画の配慮」などは、当然検討することになるが、建設適地の問題などクリアしなければならない課題も多く、これらを含め今後地方公共団体で進めていく。(3)の「借り上げ公営住宅」については、「積極的に進めるべき」との要請であるが、民間住宅で適切なものがあるかどうか、難しい問題もあるので検討していく必要がある。阪神大震災での復興借り上げ住宅の問題は承知しているが、もともと借り上げ公営住宅は「期限がある」制度なので、今回の大震災では、その周知・徹底がまず大事なことではないかと受け止めている。
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