全国追い出し屋対策会議、住まいの貧困に取り組むネットワーク、賃貸住宅トラブルネットワークの主催による「安心できる賃貸住宅の実現を求める市民集会」が、東京四谷の主婦会館で約90人の市民、法律家が参加して開催されました。
平山洋介神戸大学教授が「住宅セーフティネットの論点」題して講演しました。平山教授は、日本の住宅政策の特徴について、「標準ライフコースを歩む中間層を優遇し、家族や会社、持家の取得を促進する保守主義の政策を採り続けてきた。開発主義と競合し、景気対策として持家建設が促進され、建てては壊すスクラップ・アンド・ビルドを続けてきた。その後、新自由主義の政策転換を行なったが、セーフティネットである公営住宅を圧縮すればするほどセーフティネットが必要となる矛盾に陥っている」と指摘。「公営住宅などの公的保障と社会的再配分」が必要であり、低所得者に対する「家賃補助」の創設が強調されました。
全国追い出し屋対策会議の増田尚弁護士は、国土交通省の民間賃貸住宅部会の審議の内容と8月に発表された「中間とりまとめ」の問題点を報告。
また、全借連の細谷紫朗事務局次長が定期借家制度の問題点について発言。「定期借家制度が普及・促進されたら、借家人の居住は益々不安定になる。住む権利を奪う同制度は廃止させることこそ重要」と訴えました。その他、更新料無効判決を勝ち取った京都敷金・保証金弁護団の谷山智光弁護士は、京都地裁と大阪高裁の更新料無効判決の内容と意義が報告され、その後実施した更新料110番で100件の相談があったことが明らかにされました。
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