平成二十一年八月二十七日、大阪高裁第二民事部(成田喜達裁判長係)は、更新料返還等請求の控訴審で家主側へ更新料請求は消費者契約法違反であるとの判決を言い渡しました。
この訴訟は、京都市内の貸貸マンション居住者が月額四万五千円で契約し、一年ごとの契約更新の際、家貸の二ヵ月分相当額の十万円の更新料を支払う内容で契約し、〇六年十一月までの退去時までに五回更新し五十万円の更新料を支払っており、更新料支払い請求は無効であると、平成十九年京都地裁へ提訴していたが、同地裁は更新料は家賃の前払の一部金であるとして居住者の主張を認めず敗訴しました。
そこで、居住者は大阪高裁へ控訴し、家主側の「更新料は契約更新を拒む権利を放棄する対価だ」との主張に対して「家主の更新拒否はそもそも「借地借家法の規定で正当な理由がある場合に限られているとし、更新料徴収の理由に当たらない」また、更新料が「賃料補充の性質をもっている」との家主側の主張に対しても家賃増減と連動する契約にもなっていない」と更新料請求特約の正当性を否定する判決を大阪高裁が言い渡しました。
同判決は、「一年毎に家貸の二ヵ月分相当額は高額」「借地借家法の規定を十分説明していない」「更新料を併用し、貸料を一見少なく見せることは消費者契約法の精神に照らしても許されない」。さらに同判決は、「更新料相当額を得ようとするのなら、その分を上乗せした賃料を設定し、消費者に明確、透明に示すことが求められる」と判断を下し更新料の返還を言い渡しました。
家主側は、この大阪高裁の判決を不服として最高裁へ上告しました。
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