みんなであつめた資料に調停委員の態度が一変
東大阪市
大阪府東大阪市末広町の一五世帯の借地人は、一〇年以上も前から地主の請求する地代を二年に一度坪月当たり一〇〇円の増額を無条件に応じてきました。
昨年三月借地人の中で地代があまりにも高いのではないかと調べてみると、地価は下落し、固定資産税は減額され、周辺の地代に比べると倍額以上の高い地代を払い続けていることがわかりました。
とりわけ、固定資産税が毎年減額されているにもかかわらず二年毎に大幅な値上げは不当で、しかも税額の一一倍にもなっていることから地代の値下げを地主へ申し入れ、再三再四話合いで解決するよう申し入れましたが全面的に拒否され、昨年九月東大阪簡裁へ減額請求の調停を申し立てました。
簡裁の窓口では、減額調停の申立てに対して、借地人へ難ぐせをつけなかなか受理しようとしませんでした。
借地人の役員が中心になり、簡裁へ調停申立ては、借地人の権利だと強く申入れ、一〇月になって調停が開始されました。
地主は、不動産鑑定の結果、減額の合理的根拠はないとの減額請求を拒否してきましたが、借地人側は、周辺の地代の実態調査を地図にしたり、固定資産税の負担の推移や地代と税負担の割合、最高裁の継続地代適正な基準の指針(公租公課の二〜三倍)などを資料にし、簡裁へ提出しました。
当初、減額などについて毛頭考えていなかった調停委員は、資料を見るや「これは参考になる」と一変して借地人の減額請求の合理性に理解を示しました。
今年十二月の第三回調停で「今年一月分から現行地代の一割を減額する」との和解案を示し、二月十八日に和解が成立しました。 この和解によって、十五世帯全体で年額約六十万円の地代が減額される成果を上げました。また、地代値下げ交渉の中で、更新料支払いの特約を解消し、今後更新料は請求しないとの確認書を地主が提出し大きな成果を上げたと十五世帯の借地人は大喜びです。
役員のTさんは「借地人が団結することによって得られた成果であり、大借連や弁護士さんの支援がなかったらこんな大きな成果をあげることはできなかった」と語っています。
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