全借連常任理事会は、あらかじめ鳩山邦夫総務大臣宛に「来年度の固定資産評価替え基準年度に関する申入れ」、金子一義国土交通大臣宛に「借地借家人が安心して住み続けられる住宅政策の充実を図るための申入れ」をしていましたが、昨年十二月十二日、河岸清吉全借連会長等が、国会内で両省の担当課と要求項目毎に率直に意見交換を行い、現状に即した対策を要求しました。 この日の懇談会は、全借連の要請で穀田恵二日本共産党衆議院議員の紹介で開かれたものです。
当日、両省から明らかにされた概要は、つぎのとおりです。
大幅増税による地代・家賃の便乗値上げにストップを
応対した総務省固定資産税課の担当者は、〇九年度の固定資産評価替えの見通しについて「大都市圏と地方圏の地価の格差拡大によって大都市圏は固定資産評価額が大幅に上昇する。その一方では、地方圏で下落する地域も生まれて来ることが予想されている。」と語り、「税負担についても固定資産評価額の動向によってアンバランスが生じることを明らかにしました。
与党税調の「二〇〇九年度税制改正大綱」では、現行の固定資産税負担調整措置を継続し、都市圏の商業地などで固定資産評価額が大幅な上昇する地域には、市町村が独自の判断で課税標準額を軽減することができる「条例減額制度」を条例化することになりました。
この「制度」は、〇八年度は東京都二十三区と徳島県吉野川市が条例化し、課税標準額の上限を評価額の六十五%に押さえていることを明らかにしました。
地代家賃の便乗値上げ抑止対策ついては、地方分権化推進方針によって平成十二年から都道府県へ「便乗値上げ抑止対策の通達」を出していないが、広報活動や相談活動などの対策費は「地方交付金」で付けており、地方公共団体が独自に行うこととなっている、と回答しました。
さらに、借地借家人への固定資産税台帳公開は、当事者確認ができれば原則無条件で公開し証明書も発行することを再確認しました。
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