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期間の定めのある建物賃貸借契約の更新後の保証人の責任について |
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期間の定めのある建物賃貸借契約の更新と保証人の責任(最高裁第一小法廷平九・一一・一三判決。判例タイムス九六九号一二六頁以下)(肯定) |
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(事実) |
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建物の賃借人の連帯保証人が、賃貸人に対して、合意更新された契約には民法六一九条二項により連帯保証の効力が消滅した。
仮にそうでなくても、長期間にわたる賃借人の賃料未払の事実を連帯保証人に通知することもなく合意更新したうえ、未払賃料を連帯保証人に対して請求することは信義誠実の原則に反するとして、連帯保証債務の不存在確認を求めていた事案。連帯保証人の上告棄却。 |
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(判旨) |
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「期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために保証人が賃貸人との間で保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責を負う趣旨で合意されたものと解するのが相当であり、保証人は賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められる場合を除き、更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを免れないというべきである」。 |
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(寸評) |
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世上、よく生じる保証人の責任のうち、建物賃貸借契約の保証人の責任に関する最高裁の判断として実務に与える影響は大きい。
本件の第一審は、更新前後の契約間には法的同一性がないとして更新後の保証人の責任を否定した。学説上もこの立場を採る有力説があるが、裁判の実務上の大勢は、最高裁の判断と軌を一にしているようで、学説上の通説でもある。
本件は、期間の定めある建物の賃貸借に関するものであり、土地賃貸借契約の更新の場合には別異に解釈される余地は充分にあり、それが相当といえる。
評者は、この最高裁判決に批判的である。保証意識の推測として、当黙に法定更新を前提とするのは保証人に酷である。
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