全国借地借家人組合連合会 国民の住む権利を守る強い組織
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新年のごあいさつ

全国借地借家人組合連合会会長

河岸 清吉

 新年あけましておめでとうございます
 昨年は三月に全借連の第二十八回定期総会を開き、「新しい組合運動を目指す取り組み」を決意しました。
 直後の四月「日本住宅会議」「国民の住まいを守る全国連絡会」「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の三団体が「住宅政策の転換を目指す国会集会」を開き提言「今こそ住宅政策の転換を」を発表しました。この提言は緊急に対応すべき課題として、無法な追い出し屋を規制する法律の制定・生活保護を食い物にする貧困ビジネスの根絶等と医・職・住等生活全般に及ぶ相談を総合的に対応できるワンストップサービス対策の必要性が強調されています。
 そして特にわが国の住まいの貧困の特質では、非正規雇用労働者が全労働者の三分の一以上になり、年収二百万円以下の労働者が一千万人を超える状態のもとで、派遣切り、雇い止めが襲い掛かり、これらが住宅事情にストレートに跳ね返っている現状が明らかにされました。
 この住まいのセーテイネットである日本の公営住宅の割合は、六%と極めて少ないところに、更に減らされている、この様な危機的状況を乗り切ることが急務であることを強調、日本社会における住まいの貧困の解消は対症療法ではなく、総合的な対策の必要性を指摘しています。
 同時に中・長期的にも、全ての人々の居住の権利を保障する住宅政策への転換を求め、国に対しては、住宅対策総合本部を設置し、住宅政策における国と地方自治体の役割を明碓化する必要を述べ、公共住宅の再構築を求めています。
 そして、「提言」の実践的な取り組みの一環として、九月全借連でこの提言の提案団体の日本住宅会議の理事長塩崎賢明氏を講師に学習会を開きました。
 その後、十月住宅研究・交流集会「家賃補助の実現、住宅政策の転換を」と題し学習会が開かれました。
 更に、十一月には第三回借地借家法改悪反対全国学習交流集会が開催され、佐藤岩夫東京大学社会科学研究所教授を招き、「住宅政策と借家法の基本的あり方を考える」と題して基調講演を受けました。
 この様に昨年は内容の濃い住宅政策の学習が行われ、これを受けた実践として、今年の運動の質量共に高める活動が求められているのではないでしょうか。

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