安心できる住まいを奪う
追い出し屋に法規制を
ハウジングプアの解決こそ最優先の課題
全国追い出し屋対策会議が集会
家賃保証会社や管理会社から家賃を滞納した借家人に対し悪質・違法な家賃の取立てや賃貸住宅の明渡しを迫られる事例が急増している。今年2月に大阪で全国追い出し屋対策会議が結成され、5月10日に東京で同会議と住まいの貧困に取り組むネットワークの共催による集会が行なわれた。東借連・全借連からも12名が参加した。
追い出しが前提のビジネス
反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士は、開会の挨拶で「年越し派遣村の相談を通じつくづく感じたのは、住まいは人間らしく生活する基本中の基本であり、ハウジングプアの解決なくして貧困問題の解決はない。」と訴えた。
続いて、NPO法人自立サポートセンターもやいの稲葉剛氏より「ハウジングプアと追い出し屋対策」と題して基調報告がされた。稲葉氏はハウジングプアの全体図としてC「家があるが居住権が侵害されやすい状態(会社名義の賃貸住宅、借家人の権利を制限する契約の賃貸住宅等)」、B「屋根があるが家がない状態(ネットカフェ、施設、個室ビデオ、飯場など」、A「屋根がない状態(野宿)」の三つに分類し、追い出し屋の広がりでCの層が拡大し、CからBやAへの動きが加速していると指摘した。また、「家賃保証会社や管理会社は追い出しを行なうことが前提のビジネスであり、家賃保証をビジネスとすること自体が間違いである。住まいについて公共性を取戻し、追い出し屋に対する規制を強化する必要がある」と強調した。
追い出し被害当事者が告発
次に、被害を受けた当事者が発言。「期日までに家賃を支払わない時は鍵を交換し、家財道具を処分されても異議を述べないと念書を書かされ、支払えなくて家財道具を全て処分された」、「私が留守の時取立て屋に5時間にわたり玄関のチャイムを鳴らされ、娘が精神的に不安定になった」等々深刻な被害の実態が明らかにされた。また、大阪・広島・福岡・東京・宮崎の各地から、同会議に結集する弁護士や司法書士より追い出し被害の実例が詳しく報告された。最後に、同会議代表の増田尚弁護士より「追い出し被害根絶のための法規制の実現を求める」集会宣言が提案・採択された。 |