安心できる賃貸住宅の実現を!
追い出し屋に法規制を求める市民集会開催
低所得者に家賃補助を
今こそ住宅セーフティネットの確立を
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安心できる賃貸住宅の実現を求める市民集会 |
敷金が返ってこない、更新料などの不合理な契約条項、「追い出し屋」被害など、賃貸住宅に関わるトラブルが急増している。法律家や市民でつくる全国追い出し屋対策会議や住まいの貧困に取り組むネットワークなどは、9月13日に四谷の主婦会館で「安心できる賃貸住宅の実現を求める市民集会」を開催し、約90名が参加した。
同ネットワークの世話人の稲葉剛氏(NPO法人自立サポートセンター・もやい代表幹事)は開会挨拶で、「今こそ安心して暮らせる賃貸住宅を取戻そう」と訴えた。
公的な住宅保障と再配分を
基調講演は、平山洋介氏(神戸大学教授)が「住宅セーフティネットの論点」題して講演した。平山氏は、日本の住宅政策の特徴について、「標準ライフコースを歩む中間層を優遇し、家族や会社、持家の取得を促進する保守主義の政策を採り続けてきた。開発主義と競合し、景気対策として持家建設が促進され、建てては壊すスクラップ・アンド・ビルドを続けてきた。その後、新自由主義の政策転換を行なったが、セーフティネットである公営住宅を圧縮すればするほどセーフティネットが必要となる矛盾に陥っている」と指摘。公営住宅などの公的保障と社会的再配分が必要であり、低所得者に対する家賃補助の創設を強調した。
定期借家制度廃止させよう
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報告する細谷事務局長 |
全国追い出し屋対策会議の増田尚弁護士は、国土交通省の民間賃貸住宅部会の審議の内容と8月に発表された「中間とりまとめ」の問題点を報告し、「部会は不動産業界の代表や定期借家制度を推進する学者などが委員の多数を占め、追い出し屋の規制問題も一進一退の状況にある。9月18日部会のヒヤリングに参加して追い出しや被害の根絶など法規制などを大いに訴えていきたい」と発言した。
また、東借連の細谷紫朗事務局長が定期借家制度の問題について発言。「定期借家制度が普及・促進されたら、借家人の居住は益々不安定になる。住む権利を奪う同制度は廃止させることこそ重要」と訴えた。更新料無効判決を勝ち取った京都敷金・保証金弁護団の谷山智光弁護士は、更新料110番で100件の相談があったことを報告した。 |