誰れのための民営化か
住まい連が民営化問題でシンポ
郵便事業が儲けの対象に
公団・公社の民営化ストップを
国民の住まいを守る全国連絡会(住まい連)は、5月15日午後1時30分から千代田区一ツ橋の教育会館において「郵政民営化と公団・公社住宅の民営化を問う」とのテーマでシンポジウムを開催した。
主催者を代表して住まい連代表幹事の坂庭国晴氏が挨拶した。坂庭氏は「公共住宅団地の不可欠な4つの施設の一つとして郵便局は団地の生活を支え、かけがえのない金融サービスと通信センターを担っている」と訴えた。
■民営化で廃止された郵便局 次に、「郵政民営化の問題点と見直しの展望」と題して郵政産業労働組合書記長の廣岡元穂氏が報告した。報告では、政府や与党は郵政民営化法を成立させたときに、「セーフティネットである郵便局のネットワークが維持される。国民の利便に支障が生じないように万全を期す」と約束したが、今年の10月1日から各種手数料が値上がりし、全国の簡易郵便局が廃止され、ATM(現金自動預払機)や利用の少ないポストが撤去されるなど郵便事業のサービスが後退している実態が明らかされた。さらに、郵便事業が儲けの対象となり、変額保険や株式等リスク商品が販売されている。郵政グループの各社の経営トップや取締役が財界幹部によって独占され、郵便事業がこれら企業の事業と密接に提携されることによって、事実上財界にのっとられていることが指摘された。すでに、自民党の中でも「郵政民営化見直し」の動きが起き、野党が提出した「郵政民営化見直し法案」が昨年12月に参院で可決されるなどの動きが報告された。 この他、都市機構労働組合の根岸達哉委員長、神奈川県公社自治協の大坂純一郎事務局長、千葉幸町団地自治会の長岡正明会長より、公社住宅や公団住宅での民営化をめぐる動きや民営化を阻止する運動が報告された。
討論のまとめとして、牛久保秀樹弁護士が「郵政民営化は抜本的な地方切捨てで自民党の中にも矛盾が起きている。公団住宅の民営化は簡単には進むものではない。賃借権がある限り勝手に追い出すことは出来ない。全借連・東借連などの賃借権を守ってきた運動の歴史を学ぶ必要がある」と発言した。 |