相談員要請学習会開催
第1回は民法と借地借家法
借地借家法は民法に優先
戦争中国策で地主の力抑えた正当事由
東借連の「相談員養成学習会は」が4月19日午後1時30分から豊島区東部区民事務所において、9組合及び全借連の神奈川・千葉県連から26名の参加で開催された。
野内副会長の司会で開会され、佐藤会長が主催者を代表して挨拶した。学習会の講師の東借連常任弁護団の榎本武光弁護士より1時間30分にわたって借地借家法との関係で「民法の賃貸借」について講演がされた。
■借地借家法は民法の特別法
榎本弁護士は、はじめに相談員になるための心得として、「分ることと分らないことを区分する。分らないことを相談者が喜ぶようないい加減な回答をしてはいけない。相談者のかかえている問題、生活の背景を含めて事実関係を詳しく聞くことが大事で、分らないことがあっても、後で調べて他の人に聞いて正しい結論を得ることが出来る」と指摘した。相談員は「相談の内容について、問題の周辺のことも調べていくと、相談を受けるに従って知識が広がり、相談員の力量を高めることが出来る」と説明した。
今回の学習会は第1回目として、借地借家法が生まれてきた背景、基盤、民法との関係について、借地借家人にとっての武器である借地借家法をどういう風に使っていったらよいか等が説明された。
借地借家法は、民法の基盤の上の特別法の関係になり、借地借家法や契約にない事項は民法の定めに従うことになる。民法の存続期間、不動産の対抗力など不十分な点があるが、借地借家法では借地借家人の権利を保護する手当てがされ、「借地借家法が民法に優先する関係になっている」と説明した。
■正当事由の歴史的経緯学ぶ
次に、借地借家法の正当事由制度は、戦争中に銃後の家族を守るためと称して法律が作られたが、地主の力が圧倒的に強かった時代にこれまでの運動が実り、国策で地主の力を抑え、その後も引続き居住の安定を図ってきた歴史的な経緯のある制度で、法定更新とともに守っていかないといけないことが強調された。
また、契約は対等な当事者を前提にしているが、貸主より力の弱い借主は不利な契約を押し付けられることが多い。消費者契約法では消費者を不利な契約から保護するために制定された。借地借家人にとっては、借地借家法と消費者契約法の2つの武器があることが指摘された。 |