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2008年10月15日
第499号 |
借地借家法改悪反対
東借連が蒲田駅で街頭宣伝
借地借家人の権利を守れ
借地借家法を改悪する政治家はNO!
全国定期借地借家権推進協議会は、9月3日国土交通省の谷垣前大臣を訪問し、旧借地借家法の全面的廃止や定期借家制度の見直しを要望した。次期衆院選の結果如何によっては、法改悪の動きが再び強まることが予想される中、東借連は9月27日午後1時30分からJR蒲田駅東口において「借地借家法改悪反対街頭宣伝行動」を実施した。地元の大田借組を中心に5単組から16人が参加した。
東借連の役員と組合員は、横断幕をかかげ、宣伝カーのハンドマイクで「借地借家人の権利を守るために財界の後押しを受けた自公政権による借地借家法改悪に断固反対しましょう」と訴え、チラシを1時間にわたり配布した。
チラシをじっと読む青年もいて「相談はぜひ組合にお寄せ下さい」と呼びかけた。
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貧困は政治の責任
ワーキングプア問題でシンポ
日弁連
日本弁護士連合会のプレシンポジウム「貧困ニッポン ワーキングプアをなくすために」が、9月2日午後6時から霞ヶ関の弁護士会館において開催された。
橋本佳子弁護士の「ワーキングプアに関連する法制度の問題点の改善」についての問題提起を受けてパネルディスカッションが行なわれた。ネットカフェ難民の名付け親でもある日本テレビディレクターの水島宏明氏より、ネットカフェ難民の実情がビデオの映像を通じて紹介。貧困ビジネスのゼロゼロ物件のアパートを借りたが、家賃を滞納した途端鍵を取り替えられ、家財道具を全て処分されネットカフェ暮らしのきっかけになったこと等が指摘された。
首都圏青年ユニオン書記長の河添誠氏より、若者の労働現場の実態について、労働基準法以下の労働環境として違法の3点セット「残業代未払い・有給休暇なし・社会保障雇用保険未加入」が放置されていることが強調された。
棗弁護士より非正規労働者の現状と闘いについて報告された。会場の参加者で現在製造業の派遣で働いているワーキングプアの青年から労働の実態と低賃金の生活の様子がリアルに報告された。東京都福祉局の松本係長より、東京都住宅喪失不安定就労者サポート事業の内容が報告された。今回のシンポジウムを通じ、ヨーロッパの諸外国より日本の貧困問題やワーキングプアの対策が大きく遅れていることが明らかになった。
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相談事例の学習会等を検討
首都圏交流会
首都圏の東京・千葉・神奈川・埼玉の連合会と組合が参加する首都圏交流連絡会の3回目の会議が9月25日午後1時半から千葉県の市川中央公民館で開催された。
はじめに各県のこの間の運動の取組みについて報告された。固定資産税評価証明書の発行では東京都以外にも千葉県でも「真の賃借人であるかどうか」の確認で、契約書の提出等厳格化の動きがあることが報告された。
連絡会では、今後相談事例の学習交流会、街頭宣伝行動等の共同の運動を確認した。
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借地更新料で頑張る
更新料の支払い拒否 代理人「裁判にするぞ」と捨て台詞
板橋区南常盤台に住む井上さんのところに、今年の7月に地主の娘から「母親に代わって更新についての話を一任されたのでご連絡ください」という通知が来た。
井上さんは不安になって、様々なところに行って相談したが、最後に知り合いから紹介されて組合事務所に来た。
相談された組合では、今年末に更新の期間が満了になるので「貴殿から賃借している土地には当方が所有している建物が存在しますので更新し、引き続き住み続けるつもりです」という回答書を出すことにした。
回答書が到着した9月はじめに井上さんに「地方にいる地主の娘が東京に出てくるので話合いを持ちたい」とこの娘の代理人という近所の不動産業者から電話があった。それならば、こちらも窓口を組合としたいと再回答した。
早速、この業者から組合に電話が入ってきた。この業者は地主から委任されたといって更新料の請求と地代の値上げを請求した。対応した組合では、「更新料は最高裁の判決でも支払い義務はないですが、それでも支払いを請求する法的根拠はあるのですか」という問いに対して、「それは旧借地借家法の考え方で現在は新法の時代で、しかも20年前の昔の古い契約で、今の時勢『払わない』という考え方はおかしい」と訳のわからないことを主張してきた。最後には捨て台詞のように「それならば裁判にするぞ」といって電話をきった。井上さん「この不動産屋は最近、代替わりしたばかりで、実績を上げようと必死なのではないか」と話していた。
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【借地借家相談室】
遺産建物の相続開始後の使用を 無償の使用賃貸契約が成立すると判断
(問)5年前に同居していた父が亡くなり、末弟の私が家業の酒屋を継いで母を扶養していたが、その母も2年前に亡くなった。
2人の兄は家業を継がずに独立し、別に世帯を持っている。遺産分割の話合いのこじれが原因で建物の占有使用は不当利得だから賃料相当額分の利得金の支払請求をしてきたが、この支払請求には納得がいかない。
(答)
相続人の中の誰かが被相続人の遺産である建物に同居して生活していた場合、相続が開始されても、建物にそのまま居住・使用するのが通常である。
しかし、遺産分割の話合いがこじれ、建物占有者に対する不平・不満を他の相続人が主張する場合、不法行為又は不当利得を原因として賃料相当額の賠償金又は利得金の支払請求をする例が多い。即ち複数の相続人がいる場合、自分の持分に相当する範囲を超えて建物全部を占有・使用していることは、建物を使用していない相続人に損害を与えているので、共有物の賃料相当額の賠償金又は不当利得を支払えという理屈である。被相続人の死亡によって、突然それまでの建物使用が不当利得だから利得金を支払え、不法占有だとされては納得がいかないのは当然である。
相談事例に類似した裁判で最高裁が下した判断は次の通りである。
「相続開始から、被相続人の許諾を得て遺産の建物で同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と同居の相続人との間で、相続開始後も、遺産分割により建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は、引き続き同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の合意があったものと推認」されるとした。その上で「被相続人が死亡したときは、この時から少なくとも遺産分割終了までの間は、被相続人の地位を承継した他の相続人らが貸主となり、同居の相続人を借主とする、建物の使用貸借契約関係が存続することになる」(最高裁平成8年12月17日判決)と判示した。
使用貸借は基本的に無償で目的物を使用させるものである。従って相談者の場合は、判例から無償の使用貸借契約に基づく占有・使用という法律的理由が存在することになる。兄達の利得金請求は理由がないから、当然請求されている利得金を支払う義務はない。 |
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組合の催物とお知らせ
■城北借組「西武デパート相談会」
11月12日(水)・13日(木)午前11時〜午後5時(午後1時〜2時昼食休憩)まで、西武デパート7階お客様相談室。
「無料法律相談会」
11月14日(金)午後2時から城北法律事務所。担当田見高秀弁護士。相談者は要予約。連絡・(3982)7654。
■大田借組 「旅行会」
11月9日(日)〜10日(月)の1泊2日で宮城県秋保温泉。連絡・(3735)8481。
■多摩借組「定例法律相談会」
11月1日(土)午後1時半から組合事務所。担当山口真美弁護士。相談者は電話で必ず要予約。連絡・042(526)1094。
■江東借組「法律相談」
毎月第2水曜日午後6時から亀戸カメリアプラザ。連絡・(3640)4694。
■葛飾借組「定例相談」
毎週水・金曜日の午前10時から組合事務所。連絡・(3608)2251。
■足立借組「定例相談」
毎月第2日曜日午後1時から2時、組合事務所。要事前連絡。連絡・(3882)0055。
■荒川借組「夜間相談会」
毎月第1・第3水曜日午後7時から組合事務所。
「法律相談」
毎月第3金曜日の午後7時から組合事務所。連絡・(3801)8697。相談者は要予約。
■世田谷借組「相談会」
毎月25日午後2時〜7時まで組合事務所。連絡・(3428)0828。
■北借組「法律相談」
11月5日(水)・19日(水)午後7時から赤羽会館。相談者は要予約。連絡・(3908)7270。
■東京住宅連「09年度東京都予算要求書」提出
10月22日(水)午後2時から3時、都庁第2庁舎20階C会議室。
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